昨日(米国時間8/17)YouTubeにユーザーEverythingAppleProが投稿したビデオは、短いパスコードでロックされているiPhone 7をアンロックする500ドルの小さなボックスを紹介している。それができるのはiPhone 7とiPhone 7+、そしてiPhone 6と6Sの一部だが、それができてしまう特定の状況になるまで、あなたは無限に待たなければならないかもしれない。
ぼくもちょっと調べてみたが、Appleによると、そのボックスに仕事をさせてしまうバグ的状況は、iOS 11の最終バージョンではパッチされており、秋にはリリースされるそうだ。なお、iOS 11のbeta 4でもすでにパッチされてるそうだ。
つまりこのボックスは、iOS 11に対しては何もできない。まず下のビデオを見て、それからこの記事の説明をお読みいただきたい。
このようなボックスは、何年も前から警察や、一部のサプライヤー(部品製造企業)が使っている。こいつはまず、正しいパスコードを見つけるまでさまざまなコードを次から次とトライする。iPhoneは、何度か続けざまに試されると自動的に自分をロックしてしまうが、iOS 10では、“バグ”以外に適切な呼び名のない、ある性質のために、1分以内なら高速の連続的パスコード試行が可能だ。このボックスも、仕事ができるのは1分以内だ。また、パスコードを変えてから10分後以降など、特定の状況では、この高速試行が拒否される。また、ある1分と次の(次に試行が可能な)1分とのあいだの待ち時間がとても長いので、人間が実際にやるには無理な方法だ。
以上をまとめると、このボックスが犯行に成功する条件はこうだ:
- iPhone 7またはiPhone 7 Plus(そしてiPhone 6/6sの一部)
- 今から10分以内の近過去にパスコードを変えた
- パスコードを変えてから本機をまだ10分以上は使っていない
- パスコードは4桁である
つまり、あなたのiPhone(上記機種)に侵入したい誰かが、このボックスを持っていて、しかもあなたのデバイスになんぼでも長時間アクセスできる、と仮定しよう。後者の条件はすでに非現実的だが、政府職員なら可能かもしれない。
あなたのパスワードが6桁で(それが今のデフォルト)、パスワードを変えてからまだ1分以内ならば、最大173日でそれを見破れる。
それが6桁で最近変えてないなら、9年6か月を要す。
iOS 11では、これらの日数や年数がもっと長くなる。自分の指紋を他人に使われたくないならTouchIDを無効にできる、という話が最近あったが、本誌のライターTaylor Hatmakerがそれについて、“企業がOSの上でやることの中では、今までで最高に知能犯的”、と言った。
警察とAppleのセキュリティの追いかけっこは、テレビ番組にしたらおもしろいだろうね。
iPhone 6/6sの件はあとから追記した。