これ以上の自己言及はそうそうあるものではない。Indiegogoで7万7000ドルを集めた、映画 “It’s All Good” のフィルムメーカーらが金を持って姿をくらまし、その金をコカインや売…、いやちょっと待った。リムジンやシャンペンに費した。支援者は当然激怒したが、もう一つ裏があった。このいたずら連中が〈実際に〉作っていた映画は、フィルムメーカーが、クラウドファンディングで集めた金を「無駄使い」する話だったのだ。
「これは映画を作らないことの映画」と、製作者たちは真顔で言った。
この連中が倫理的にどうなのかを語ることは難しい ― Indiegogo支援者の誤解を誘ったことは間違いない。しかしこの芸術作品は、詐欺と映画製作とクラウドファンディングと上に書かれた解説すべてが交差したところに存在している。
Indiegogoのプロジェクト紹介ビデオがかなりふざけていたので、キャンペーンが目標金額を達成したこと自体に私は驚かされた。しかし、正直を言うと最初のキャンペーンで支援しなかったことを悔んでいる。ある意味プロセス全体がパフォーマンスアートの作品なので、チームが「浪費」するところを、それが計画のうちであると知らずに見て怒ってこそ、完全な体験になるはずだった。
つい最近、映画の予告編が公開されたが、かなり期待できそうだ。公開は10月中の予定で、詳細は映画のサイトで見られる。
真似する者が続出しないことを願うばかりだ。この手の物を面白いと思えるのは一度きりだ。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)