AIでAIモデルを最適化するプラットフォームを構築するイスラエルのDeciが9.5億円を調達

イスラエルのテルアビブを拠点とするスタートアップのDeciは、AIを使ってAIモデルを最適化し本番環境にする新しいプラットフォームを構築している。同社は米国時間10月27日、EmergeとSquare Pegが主導するシードラウンドで910万ドル(約9億5000万円)を調達したと発表した。

Deciのプラットフォームは、企業がAIのワークロードを簡単に短時間で本番環境にし、さらにその本番環境モデルを最適化して精度とパフォーマンスを向上しようとするものだ。これを実現するために同社は、モデルをパッケージングしてデプロイする前に、エンジニアがトレーニング済みモデルを用意し、それをDeciで管理してベンチマークを取り最適化するエンド・ツー・エンドのソリューションを構築した。ランタイムコンテナまたはEdge SDKを使うことで、Deciのユーザーはほぼすべてのモダンなプラットフォームやクラウドにモデルを提供することもできる。

Deciのインサイト画面には、深層学習モデルに関して本番環境で予測される動作の指標を組み合わせたDeciスコアが表示される。これはモデルのパフォーマンス全般をまとめた単一の評価基準だ

Deciの共同創業者は、深層学習サイエンティストのYonatan Geifman(ヨナタン・ガイフマン)氏、テクノロジーアントレプレナーのJonathan Elial(ジョナサン・エリアル)氏、そしてコンピュータサイエンティストで機械学習の専門家であるテクニオン・イスラエル工科大学のRan El-Yaniv(ラン・エル・ヤニフ)教授だ。

CEOで共同創業者のガイフマン氏は「DeciはAIにおけるパラダイムシフトの先頭に立ち、データサイエンティストや深層学習のエンジニアが有効でパワフルなソリューションを作ってデプロイするために必要なツールを提供しています。ニューラルネットワークの複雑さや多様性が急速に増し、企業にとっては最高のパフォーマンスを得るのが難しくなっています。AI自体を利用してこの問題に取り組むのが最適な戦略であると我々は認識しました。Deciのゴールは、AIを実用的に使うすべての人をAIで支援し、世界で最も複雑な問題を解決することです」と語る。

ユーザーはDeciのラボ画面を使って深層学習モデルのライフサイクルを管理し、推論のパフォーマンスを最適化し、デプロイの準備をすることができる(画像クレジット:Deci)

同じハードウェアで同等の精度であれば、Deciで最適化したモデルはこれまでより5〜10倍速く動作すると同社は述べている。推論のワークロードの実行にCPUとGPUを利用することができ、自動運転、製造、通信、ヘルスケアなどの顧客とすでに連携していると同社はいう。

EmergeのパートナーであるLiad Rubin(リアド・ルービン)氏は「最高のパフォーマンスの深層学習ソリューションを自動で作り上げるDeciの手腕は人工知能におけるパラダイムシフトであり、さまざまな業界にわたる多くの企業の可能性を開きます。我々はこれほど優れた創業者たちと協力し、旅の初日からともに歩めることを大変嬉しく思っています」と述べている。

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Deci資金調達イスラエル

画像クレジット:Deci

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(翻訳:Kaori Koyama)

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TechCrunch Japan

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