AI搭載した遠隔操作ロボットのTelexistenceが22億円のシリーズA2調達、製品開発チームを拡大

AI搭載した遠隔操作ロボットのTelexistenceが22億円のシリーズA2調達、製品開発チームを拡大

AI(人工知能)搭載の遠隔操作ロボットを開発するTelexistence(テレイグジスタンス)は6月16日、シリーズA2ラウンドにおいて、約22億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、既存投資家のモノフルのグループ会社(モノフル)はじめ、Airbus Ventures、KDDI Open Innovation Fund、DEEPCORE、東大IPC、複数の新規投資家(非公開)など。2017年創業以来の資金調達総額は約45億円となった。

調達した資金は、製品開発チームの拡大や、オフラインの小売店舗・物流分野で広がる顧客層への製品開発・展開の加速に活用する。

またTelexistenceとモノフルは、物流施設業務向けの拡張労働基盤(AWP。Augmented Workforce Platform)の開発、商用運用や社会実装をさらに進めるため、パートナーシップを強化した。

遠隔操作ロボット技術を核とするAWPは、物流施設内の業務に携わる労働者が倉庫に物理的に立ち会うことなく労働力を提供できるプラットフォーム。倉庫内に設置されたロボットをインターネット経由で操作できるほか、在宅のままパレタイズ(パレットへの積みつけ)やデパレタイズ(パレットからの荷下ろし)などの作業に参加可能という。Telexistenceは、AWPの構築により労働者により安全に、より低コストで、より便利に世界の労働市場に参加できる基盤を提供するとしている。

今回のパートナーシップはその一環となっており、国内最大級の物流業者をパートナーとし、物流分野向けに開発した遠隔操作ロボットのトライアル導入の準備と製品試作を進める。

現在、ロボット(主に産業用ロボット)は、主に自動車・総合電気メーカーの工場内でしか普及していないという状況にある。Telexistenceは、ロボットの活躍の場を工場の外にまで広げ、社会の基本的なあり方を変革することを目指しているという。最終的には、人間が複数の空間的・時間的スケールのネットワーク構造を介してつながり、相互作用し、進化していく社会の創造を目指す。

モノフルは、先進的物流施設のリーディングプロバイダーである日本GLPのグループ会社の出資により2017年11月に設立。社名には、「物(mono)であふれている(full)」という物流の現状を表す意味に加え、同社が目指す未来の物流の姿である「単一の(mono)プラットフォームで遂行させる・実行する(fulfill)」という意味を込めている。

2017年設立のTelexistenceは、「ロボットを変え、構造を変え、世界を変える」をミッションとし、遠隔操作・人工知能ロボットの開発およびそれらを使用した事業を展開するロボティクス企業。世界中から高い専門性をもつ人材が集まり、従業員の国籍は10を超え、ハードウェア、ソフトウェア、自動化技術を一貫して自社で開発している。半自律型遠隔操作ロボットとAWPを通じて、人々が場所を問わず労働参加できる基盤構築を目指す。

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カテゴリー:ロボティクス
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