AIプラットフォーム「ABEJA Platform」などを展開するABEJAは12月4日、2018年6月に実施して42億5000万円を集めたシリーズCのエクステンションラウンドとして、Googleなどを引受先とした第三者割当増資を発表した。Googleからの出資は、同社の投資部門(GV)からの出資ではなく、Google本体からの出資となる。
調達金額は非公開ではあるものの、企業データベース「Crunch Base」によれば、シリーズC以前の同社の累計調達金額は、金額が公開されているものだけを合わせても約4500万ドル(現レートで約50億円)。同社が本日発表したリリースには「累計調達額は60億円を超えた」とあるから、非公開分やレート差分を考慮すると数億円台後半、もしくは10億円前後の規模だと推測できる。
ABEJAは2012年の創業で、当初よりディープラーニングを軸とするAIを活用したプラットフォーム「ABEJA Platform」の開発に取り組んできた。これは、ABEJAが蓄積した過去の開発実績やノウハウをオープンなプラットフォームとして提供するというもの。様々な業界、顧客に合わせたソリューションを提供しており、AIの本番運用を支援した企業数は現在150社を超えるという。
また、小売・流通業界、製造業界、インフラ業界向けに特化したパッケージサービス「ABEJA Insight」も提供しており、これまでに国内約100社への導入実績があるという。2017年3月にはシンガポールに法人を設立し、グローバル展開も果たした。
Google Cloud Japan代表の阿部伸一氏は、「ABEJAは、機械学習領域における優れた技術力のみならず、日本のAI市場において数多くの企業と実装レベルでの協業実績を持つ」とコメントし、ABEJAの技術力と導入実績を評価した。
ABEJAは今回の資金調達ラウンドの実施を受け、「引き続きAI、特にディープラーニングの活用により国内外問わず多様な業界やシーンにおけるビジネスのイノベーションを促進し、産業構造の変革に貢献する」とコメントしている。