【抄訳】
カリフォルニアの判事は、Airbnbに対するアパート管理会社Apartment Investment & Management Company(Aimco)の訴えを棄却した。昨年の2月に、約50000件の不動産物件の保有者ないし管理代行者であるAimcoは、Airbnbが、同社の賃貸物件の不法使用を意図的に奨励しているとして同社を訴訟した。
Aimcoはこの訴訟をカリフォルニアとフロリダ両州で起こしており、損害賠償と、同社賃貸物件の不法使用の奨励をAirbnbにさせない裁判所命令を求めていた。Aimcoの訴えの主旨は、AirbnbがAimcoの建物に、“平和な地域社会を維持することに関心のない”、しかも“身元不詳で履歴審査もない”人びとを連れ込んだことにある。
10月にAimcoは、南カリフォルニアの4つの物件におけるAirbnbの操業に対する仮差し止め命令を裁判所に求めた。しかしAirbnbは、カリフォルニアの法律は物件の転貸(また貸し)を禁じていない、と反論した。
Airbnbはさらに、この問題の責任はAmicoの物件のテナント(店(たな)子)とそのゲストにある、と主張した。同社は、Communications Decency Act(通信適正法)が、人びとがWebサイトにポストしたコンテンツに関する法的責任はそのWebサイトの運用者にはない、と定めている条項を挙げて、この訴訟の却下を求めた。
しかしAimcoは、Airbnbは情報コンテンツのプロバイダーであるから、そのサイト上のコンテンツに関して法的責任がある、と主張した。しかし今回カリフォルニアの裁判所は、Airbnbは情報コンテンツのプロバイダーではない、と判定し、Airbnbはコンテンツをホストしているだけであり、それを作ってはいない、とした。
地裁判事Dolly M. Geeは判決文でこう述べている: “この行いは、Airbnbを情報コンテンツのプロバイダーにしない。上述のように、情報コンテンツのプロバイダーの法的定義は、インターネットやそのほかの何らかの対話的コンピューターサービスによって提供される情報の、全体的ないし部分的な作成や開発に責任のある個人や法主体である”。
Airbnbはもちろん、この裁定を歓迎し、次のような声明を発表した:
“弊社と家主とのパートナーシップは、ホームシェアリングが全員にとってウィンウィンの状況であることを明らかにしている。Airbnb Friendly Buildings Programによってテナントは彼らの最大の出費対象〔借りてる部屋〕を有効利用して副収入を作り出し、それが家主にとっても新たな経済的機会を作り出す。このようなパートナーシップが数多く成立していることは大きな喜びであり、弊社は今後とも継続的に、ホームシェアリングに関して前向きの家主からの大いなるご関心をいただき、とくに、歴史に残るほどの大きな負債を抱えている現代のミレニアル世代への、ソリューションを提供していきたい”。
【後略】
〔訳注: フロリダはまだ未決。Aimcoは控訴の構え。この記事からは、(1)Airbnbと家主(Aimco)の当初の契約ないし合意内容、(2)転貸(また貸し)に関する家主(Aimco)と店子(借り手)との当初の契約ないし約束内容、以上二点が不明である。〕
—原文末尾に、判決文の全文があります。—