30秒あれば、バイラルなビデオを見たり、Facebookの記事を何本か読むことができる。しかし、音声で聞こうと思えるのは最低でも3分以上の曲だ ― ヘッドホンを取り出し、コードをほどき、耳につけ、再生する時間を考えると、それより短いものを聞くには手間の方が大きい。
しかし、AppleのAirPodsの登場によってワイヤレスイヤホンが主流になれば、短いオーディオコンテンツの消費と創造が爆発するところを見られるかもしれない。
まず、生活の隙間時間に短いオーディオ作品を聞くことがずっと簡単になる ― 今ビジュアルコンテンツを見るのと同じように。コーヒーショップの行列で待つとき、講演の合間、その他スマートフォンを取り出すわずかに時間がある時ならいつでも。私たちはTwitterやImgurなどお気に入りのアプリを開き、ちょっとスクロールしたりスワイプしてリラックスしている。
ワイヤレスイヤホンは、こうした行動をオーディオでも可能にする。邪魔なケーブルがないので、耳に入れたままのことも多くなる。ちょっとした時間ができたら、オーディオブックを1ページ、いやほんの数行聞いたり、ポッドキャストを少し先へ進めることができる。
長期的にみると、未だに着脱が必要なワイヤレスイヤホンは、(実質的)オーディオ常備時代への橋渡しと言える。そんな将来を見据えて、短編オーディオコンテンツが意図的に作られるようになると私は信じている。
5分間のYouTubeビデオがデスクトップに登場した時は短かく感じたものだが、ほどなくしてモバイルが普及すると、Vineの6秒ビデオや、スクロール中に3秒で目を引くことに最適化されたFacebookのビデオが台頭してきた。おそらくAirPodsとその時代の人たちは、オーディオコンテンツの作成にも同じ変化を促すだろう。
スタンダップコメディアンが、人気の演目をひと言に凝縮したり、最高のジョークを並べたプレイリストを作ってワイヤレスイヤホンに届けるところを想像してほしい。ニュース記事の概要を読み上げるアプリはもっと普及するだろう。作家は作品の章を短く分けるかもしれない。ビートルズの23秒の曲 “Her Majesty” のようなミニソングが多く出てくることもあるだろう。そして非同期のボイスメッセージが、日々のテキストメッセージに取って代わることも。
その過程で、Siriや他のボイスコマンドを使ったアプリが、AirPodsの重要な価値になることも考えられる。今のボイスコマンドは未だに少し気まぐれだ。改善が進み私たちがボイスインターフェースに頼るようになれば、対話型の短編オーディオコンテンツが普及する。私の耳の中に住み続けるデバイスを作る信頼できる会社があるとすれば、それはAppleだ。
全員がワイヤレスに移行するまでの間、AppleがiPhoneのヘッドホンジャックを廃止したことによって、一部の人たちにはオーディオをすばやく消費することが難しくなった。古いヘッドフォンを使うためにLightningの変換コネクターと格闘しなくてはならないからだ。しかしひとたびみんながケーブルを捨てれば、 コンパクトな音声エンターテイメントが耳の中でささやく新時代を楽しみに待つことができるだろう。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)