Amazonが、オンライン教育のTenMarksを買収する、と発表した。後者は現在、算数のカリキュラムを提供しているが、AmazonのKindle担当VP Dave Limpの声明では、“ AmazonとTenMarksは共に、リッチでマルチプラットホームな、そして先生たちと親たちと児童生徒に愛される、教育コンテンツとアプリケーションを開発していきたい”、ということだ。
TenMarksは2008年に創業され、これまで何度か、投資ではなく融資を得てきたが、至近の2011年9月には、Catamount VenturesとBirchmereから300万ドルの投資を獲得した。
TenMarksのサービスTenMarks Mathは、教師が指定した難度とコンセプトに基づいて、‘プレイリスト’と呼ばれる個人化されたカリキュラムを作る。教師はこのサービスを無料で利用でき、今では全国数万校で採用されているという。
TenMarksの協同ファウンダRohit Agarwalは今日(米国時間10/10)の声明の中で、“AmazonとTenMarksは、学校や家族が実装しやすいソリューションを誠意をもって真剣に開発していく”、と述べている。“弊社は現在、教師と児童生徒と親に、算数の全国標準必修カリキュラムの効果的な履修を助けるリソースを提供している。それらによって、大規模でプロフェッショナルな授業展開や、親とのコミュニケーションが可能になっている。弊社のビジネスモデルはこの信念を反映して、先生たちの登録と利用は無料、ほかに必要に応じて有料の機能も利用できる、という形になっている。今後は、AmazonとTenMarksが協力して、K-12の分野に重要なイノベーションを作り出せると信じている”。
しかしTenMarksのこれまでのビジネスモデルは、Amazonの一翼となる今後は意味のないものになるだろう。買収の完了は2013年の第四四半期内とされ、金額条件等は公表されていない。
Amazonは教育コンテンツと教育アプリ/アプリケーションを‘マルチプラットホーム’向けに制作提供していく、と言ってるのだから、それらがKindle向けに限定されないことは明らかだ。Kindleそのものも今では、iOSと‘ふつうの’Android用にアプリがあり、またKindleコンテンツをブラウザ上で読むことのできるWebアプリケーションもある〔日本はまだのよう〕。いわばAmazonは伝統的に、マルチプラットホームだ。
また、タブレットの教育利用では、教科書なども含めてApple iPadがダントツに強いが、当然Amazonは、Kindleと今回のような内製コンテンツで、食い込みをねらうだろう。今あるKindle Textbook Rental(教科書レンタル)も、今後はそういったアプリと連携して、より魅力的なパッケージを提供していくだろう。
現在のAmazonは、アプリの量ではGoogleやAppleに大きく差をつけられている。しかしそのことは、今後の教育市場開拓とは無関係だ。重要なのは、学校と親がとても気に入るような、魅力的なコアカリキュラムを、今回のように教育テクノロジ企業とのパートナーシップで作っていくことだ。
[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))