Amazonに大打撃を与えるインドRelianceによるFutureの資産買収を同国証券取引所が承認

インドの証券取引所は、インド時間1月20日午後、同国の小売大手であるReliance Retail(リライアンス・リテイル)による、Future Group(フューチャー・グループ)の34億ドル(約3521億円)の資産買収を承認した。これはAmazon(アマゾン)にとって大いなる打撃となる。Amazonはこれまで世界第2位のインターネットマーケットであるインドに対して65億ドル(約6731億円)を投資しており、前述の大手2社間の買収を阻止しようとしていた。

ボンベイ証券取引所(BSE)は通知の中で、インドの市場規制当局であるインド証券取引委員会(SEBI)と協議をしたが、この買収についての反対や異論は特に出されなかったと述べている。

この1月20日の通達は、インドの2大小売チェーンであるFuture GroupとReliance Retail間の数十億ドル(数千億円)規模の買収を阻止しようと、SEBIとインド公正取引委員会に嘆願を行っていたAmazonにとっては、最も新しい打撃となった。2020年、インドの公正取引委員会(Competition Commission of India、CCI)は両社の買収合意にゴーサインを出していた

今回の通知には「当証券取引所はここに、上場規定内での上場 / 上場廃止/ 上場継続要件に関係する事項に照らして、特に反対意見はなかったことをここに通知し、同社がNCLT(会社法裁判所)へ申請を行うことを認める」と書かれている。SEBIはFutureに対して、現在進行中のAmazonとの訴訟のさまざまな情報を、取引の承認を保留しているNCLTに提出するように助言した。

Amazonは2019年に、当時1億ドル(約103億4000万円)以上と評価された取引で、Future傘下の未上場企業1社の株式の49%を購入していた。その取引の一環として、Futureはライバル企業に資産を売却することはできないことになったはずだと、Amazonは法廷で主張してきた。

Future Groupの最高経営責任者であり創業者のKishore Biyani (キショア・ビヤニ)氏が、最近のオンライン仮想会議で、事態が変わったのは、2020年の新型コロナウイルスパンデミックが、Futureを現金不足に追い込んでからだと語っている。2020年8月にFuture Groupは、インド最大の小売チェーンを運営するAmbani(アンバニ)氏のReliance Industriesとの間で小売、卸売、物流、倉庫事業を34億ドル(約3521億円)で売却することで合意したことを発表した。

Amazonはこの取引に対して、シンガポールの仲裁人を介して抗議を行い、裁判所に対してこのインドの小売大手の間の取引を阻止するように求めた。Amazonは2020年10月下旬に、シンガポールの仲裁裁判所から、Future Grpupの売却を一時的に阻止する緊急命令を得た

仲違いした両社は、2020年にデリー高等裁判所で争ったが、そこではFutureとRelianceの間の取引に対して、Amazonが規制当局や他の公的期間に懸念や撤回を求める要請を出すことを一時的に差し止めてほしいとする、Futureからの嘆願が拒絶された。これは米国の大企業Amazonにとってのかすかな希望となった。

Amazonの広報担当者は、同社は法的救済措置を追求し続けるとTechCrunchに語っている。「BSEとNSEが発行した書簡には『調停の草案』(提案された取引)に対するSEBIのコメントが、現在進行中の仲裁やその他の法的手続きの結果に従うべきであると明記されています。私たちは、私たちの権利を行使するための法的救済措置を引き続き追求していきます」と広報担当者は述べている。

ここで争われているのはインドの小売市場だ。コンサルタント会社BCGと地元の取引グループであるインド小売業協会によれば、インドの小売市場は2019年の7000億ドル(約72兆3000億円)から2025年には1兆3000億ドル(約134兆4000億円)に膨れ上がると推定されている。オンラインショッピングは、インドの小売業全体の約3%を占めているに過ぎない。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:AmazonReliance RetailFuture Group買収インド

画像クレジット:Noah Seelam / AFP / Getty Images

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(翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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