昨年Amazonは、25あまりの倉庫等で、労働者の安全性のための新しい着衣を採用した。そのRobotic Tech Vestと呼ばれる着衣は、一見すると二本のサスペンダーを電子回路を内蔵するベルトにくっつけたもののようだ。このAmazon Roboticsが設計した製品は、労働者がロボットシステムを修理したり、落下した品物を回収したりするときの安全を確保することが目的だ。Amazonのロボットシステムのセンサーが着用者を感知すると、動きを遅くして衝突を避けようとする。
つまりこのベストは、ロボットの障害物回避検出機能と協働する。
Amazon RoboticsのVP Brad Porterはこう語る: “われわれのロボットシステムは全体的に、複数の安全システムを採用している。それには、訓練素材もあれば、入り口の物理的なバリヤー、プロセス制御、オンボードなどさまざまだ。過去には、人間が自分が作業しているセルのグリッドをマークすると、ロボットのトラフィックプランナーがその区域の方向へルートを回していた。しかしこのベストで可能になったのは、ロボットが遠くからでも人間を検出して、その旅程プランをスマートにアップデートする。人間がそのゾーンを明示的にマークしなくてもよい”。
仕事の現場に人間とロボットの対話があるときには、言うまでもなく安全が重要な課題になる。労働安全衛生局OSHA(Occupational Safety and Health Administration)はこう言っている: “調査によれば、ロボット事故の多くがルーチン以外の運用条件で起きている。それらは、プログラミング、メンテナンス、試験、セットアップ、調整などだ。このような運用の間に、労働者が一時的にロボットの作業圏域に入ってしまうことがある。そしてそこで、意図せざる操作が傷害を招くことがある”。
12月には、Amazonの20数名の倉庫労働者が病院に搬送された。その、熊撃退スプレーの爆発事故には、ロボットが関与していた疑いがある。ロボットと人間のコラボレーションが一般的になるに伴い、安全を最優先して、これらの巨大な金属製マシンと付き合うことが重要だろう。
Porterによると、ベストのテストは“大成功”だったそうだ。ベストの総起動回数は100万回を超え、その結果がすべて、システムのログと共に記録された。