Amazon.comがShowroomを開始、家庭用家具のビジュアルショッピング体験を提供

1年ちょっと前にAmazonは、プライベートブランドのRivetとStone&Beamを、最初の家庭内家具ブランドとして立ち上げた。そして昨年の秋以降、同社は家具やその他の商材に対して、Pinterestのような推奨サービスであるScoutを使って、よりビジュアルな新しいショッピング手段の実験的な提供を始めた。 そしてこのたびAmazonは、Amazon Showroomを使って家庭用家具の世界に向けてのさらなる挑戦に挑む。Amazon Showroomとは仮想的なリビングルームの中に家具を配置し、装飾品をカスタマイズして、結果を眺めながら一度に購入することができるようにする仕掛けだ。

Amazonは正式なShowroomの発表をしていない。しかし広報担当者はそれが、現在既にAmazon.comとAmazonモバイルアプリ上で利用可能になった、最新のテストであることを認めた。

ウェブ上の”Accounts & Lists”ドロップダウンメニュー、同じくウェブ上の”Home, Garden & Pets”カテゴリー、もしくはモバイルアプリ内の”Home & Kitchen”カテゴリーからアクセスすることができる。

現段階では、この新機能はAmazonの顧客に対して、1つのリビングルームの中の商品をまとめることに焦点を当てている。仮想的な設定の中で、利用者は壁と床の色を調整することが可能で、室内になるアイテムをそれぞれ選んで入れ替えて行くことができる。入れ替えることができるのはソファ、コーヒーテーブル、椅子、サイドテーブル、ランプ、カーペットで、さらには壁に掛かった絵も替えることが可能だ。

入れ替えを行うには、興味のある対象をクリックして、スクロール可能な右側のパネル上に表示されるオプションの中から、入れ替えたい品物(値段付きで表示されている)を選べば良い。この選択は、価格、スタイル、色、素材、ブランド、レーティングなどの、さまざまな要素で絞り込むことができる。

当然の話だが、Amazon自身の家庭用家具ブランドがここでは大いに取り上げられている。

検討を進める途中で、現段階のスナップショットを保存しておき、後で取り出すこともできる。異なるスタイルを見比べて選択しようとしている場合には、複数の部屋のデザインを保存することができる。満足な結果が得られたら”Add to cart”(カートに追加)ボタンをクリックするだけで、チェックアウト用に全商品をカートに入れることができる。

Amazon Showroomは、購入に先立って家庭内の商品をビジュアライズして示して購入者を助けるという試みとしては、初めての試みではない(しかしそのShowroomという名称は、オンラインショッピングを行う人たちのために物理店舗をショウルーム化してしまうことができる、Amazonの無慈悲な実力を誇示するものだ)。同社はまた2017年にアプリでARショッピング機能の提供を始めている。これを使えば、カメラビューの中に仮想アイテムを置いて、実際に自分の部屋の中でどのように見えるかを確認することができる。これは単一の商品を買う場合には便利な機能だが、部屋全体をデザインする場合はそれほどは役に立たない。

家庭用家具はオンライン小売業にとって、いまだに発展途上のカテゴリーだ。それは単にビジュアライズが難しいからではなく、重いアイテムは出荷にもコストがかかるからだ。とはいえ、大手小売業者たちはこの成長市場に可能性を見ている。

たとえば、Walmartは、昨年家具や装飾品のための新しいホームショッピングサイトを立ち上げた。そこには、自社ブランドと、より視覚的でスタイリッシュなイメージが掲載されている。また、Hayneedleや最近ではArt.comなどの、家庭用家具と装飾品小売業者たちとも提携し、さらには独自のビジュアル検索も開発している。

Amazonは公にShowroomが始まっていることを認めた。

その機能がいつデビューしたのか、Amazonは正確には語っていないが、12月の初めに、あるTwitterアカウント(現在は非公開)が、本番前サイトへのリンクをツイートしていた。Amazonは、Amazon Showroomが完全に社内開発であることを認めている。

「Amazon Showroomは、お客様がオンラインで買い物をする際に、家具の購入を視覚化するための新しい方法です」と広報担当者はTechCrunchに対して語った。「Amazon Showroomは、仮想リビングルームをお客様に提示します。そこでお客様は装飾品と家具をカスタマイズしながら、それらが1つの部屋の中にどのように収まり、お互いにどのように見えるのかを比較検討する事が可能です。その結果『これらを一緒にするとどんな風に見えるのだろう?』という疑問にお答えできる写実的な室内画像を提供することができます」と彼は続けた。

この機能は、Web上およびAmazonアプリ内で、すべての顧客に対して有効になっている。

 

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(翻訳:sako)