Joby Aviationは、日本の航空会社ANAと提携し、航空ライドシェアサービスを日本に提供する。トヨタ自動車も両社と提携し、エアタクシーと地上の交通機関を接続する方法を模索する予定だ。
Joby Aviationが日本で事業を開始する意向を明らかにしたのは、同社が韓国のSK Telecomと提携し同国で航空タクシーサービスを開始する計画を発表した1週間後のこととなる。JobyはSK Telecomのスピンオフ企業であるT Map Mobilityプラットフォームと協力して、エアタクシーをT Mapのサブスクリプションベースのmobility-as-a-serviceプラットフォームに統合する予定だ。
関連記事:韓国でJoby Aviationがエアタクシーサービス開始へ
両社は、Jobyの航空機の操縦開始時期、日本での商用サービス開始予定時期、ANAとJobyのどちらが運営するのか、顧客がどのように利用するのかなど、サービスの具体的な内容は明らかにしなかった。Joby Aviationの広報担当者は、Joby、ANA、トヨタの3社は現在、インフラ整備、パイロット養成、飛行運用、規制要件、一般の受け入れ、航空輸送をより大きな交通エコシステムに接続する方法などを検討しており、計画段階にあるという。
トヨタは、この未来のサービスにおけるパートナーであるだけでなく、JOBYの戦略的投資家でもある。トヨタは2020年にJobyの5億9000万ドル(約681億円)のシリーズCラウンドを主導し、同社と電動化技術や製造、品質、コスト管理に関する専門知識を共有しているとJoby Aviationの広報担当者は述べている。
「本日の発表は、日本における未来のエアタクシーサービスのあり方を定義するための第一歩です」と、広報担当者は語る。「両社は今後、ルートの候補も含めて、この画期的な新しい交通手段を確立するためのあらゆる側面で協力することになります」。
Jobyの航空機は、最大航続距離150マイル(約270km)、最高速度時速200マイル(約320km/h)だ。クルマで1時間かかる関西国際空港から大阪駅までの移動は、同社のサービスを使えば15分以内で行けると試算している。
電動垂直離着陸機(eVTOL)は4人乗りであり、少なくとも最初の用途では、商業サービスは限定的なものになるだろう。Jobyが現在のモデルを大量生産するか、より大きなeVTOLを作るまでは、エアタクシーが一般的になるのは数年先だろう。さらにeVTOLの製造に時間と費用が必要であるだけでなく、規制上の障害がある可能性のためだ。しかし、先に米運輸省の連邦航空局とG-1(第4段階)の認証基準を締結し、一歩前進した。これにより、同社は米国での適合性試験を開始し「実施段階」に入ることができるようになった。これは基本的にJobyは、航空機の複合材部品の設計と製造に承認を得たことを意味する。
日本における空のライドシェアの採用を加速させたい学者、研究者、航空会社、スタートアップ、公的機関が集まった「空の移動革命に向けた官民協議会」では、日本でのeVTOLの認証が検討されている(Joby Aviation、トヨタ、ANAはすべてこのグループのメンバーだ)。最終的な認定は、国土交通省航空局が行う予定だ。
画像クレジット:Joby Aviation
[原文へ]
(文:Rebecca Bellan、翻訳:Katsuyuki Yasui)