Android(アンドロイド)に2021年夏から導入される6つの新機能についての情報が、米国時間6月15日に公開された。それらの中には、テキストメッセージにスターを付けて後で簡単に探せるようになる機能や、入力中の言葉に応じて最適なEmoji Kitchen(絵文字キッチン)の候補を表示する機能など、単に「生活の質」を向上させるものもある。しかし、今回のアップデートにおけるそれ以外の面では、セキュリティ、安全性、アクセシビリティが強調されている。
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2020年の夏、Google(グーグル)はAndroidに、スマートフォンを地震計として活用することで「世界最大の地震検知ネットワーク」を構築する機能を追加した。このシステムは無料で、カリフォルニアで試験運用が行われた後、ニュージーランドやギリシャにも導入されている。Googleは今回、この機能をトルコ、フィリピン、カザフスタン、キルギス共和国、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンでも提供を開始すると発表。同社によると、2021年は地震のリスクが高い国を優先して、この機能の拡大を続けていくという。
Googleは2020年、Google Assistant(Google アシスタント)の音声コマンドを各種Androidアプリに対応させるアップデートを導入したが、こちらも今回、さらに拡張される。最初のアップデートでは、Spotify(スポティファイ)、Snapchat(スナップチャット)、Twitter(ツイッター)、Walmart(ウォールマート)、Discord(ディスコード)、Etsy(エッツィ)、MyFitnessPal(マイフィットネスパル)、Mint(ミント)、Nike Adapt(ナイキ・アダプト)、Nike Run Club(ナイキ・ラン・クラブ)、Kroger(クローガー)、Postmates(ポストメイツ)、Wayfair(ウェイフェア)といったアプリがサポートされていたが、今回のアップデートでは、eBay(イーベイ)、Yahoo!Finance(ヤフーファイナンス)、Strava(ストラバ)、Capital One(キャピタル・ワン)などのアプリが言及されている。これは、Apple(アップル)のSiriでiOSアプリを起動させたり、タスクを実行したり、カスタムコマンドを記録したりできる機能と似たものだ。
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アクセシビリティの面では、現在ベータ版として提供されている視線検出機能が強化される。この視線検出機能によって、ユーザーは画面を見ているときだけVoice Access(ボイス・アクセス)が反応するように設定できるので、スマートフォンへの指示と友人との会話を自然に切り替えることができる。Voice Accessでは、パスワードの入力も強化される。パスワードの入力欄を自動検知すると、例えば「大文字のP」とか「ドル記号」ということで、文字や数字、記号を入力できるようになるので、ユーザーはこの機密情報をよりすばやく入力できる。2020年10月、Google アシスタントは視線操作デバイスで利用できるようになり、同月にGoogleの研究者は、ビデオ会議で手話を使う人を「アクティブスピーカー」として識別できるようにするデモを公開した。アップルは2017年にアイトラッキング企業のSensoMotoric Instruments(センソモトリック・インスツルメンツ)を買収したものの、まだこれに匹敵するような視線検出機能を普及させていない。Googleが改良を続けているように、アップルでも同様のアクセシビリティ機能が開発されていることを期待したいところだ。
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今回発表されたAndroidのアップデートでは、Android Auto(アンドロイド・オート)のユーザーがより多くのカスタマイズを行えるようになる。例えば、スマートフォンからAndroid Autoのランチャー画面を設定したり、ダークモードを手動で設定したり、A-Zスクロールバーや「トップに戻る」ボタンを使ってメディアアプリのコンテンツをより簡単に探せるようになった。また、WhatsAppやMessages(メッセージ)などのメッセージアプリが、ランチャー画面から直接アクセス可能になり、簡単に新しいメッセージを読んだり送信したりできるようになる……が、運転中に注意散漫にならないように気をつけて欲しい。さらに、EVの充電ステーション検索や駐車場予約、ナビゲーションなどのサードパーティ製アプリが、Android Autoで使用できるようにもなる。車載システムの操作性や利便性は大幅に向上するばずだ。
カテゴリー:ソフトウェア
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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hirokazu Kusakabe)