マーケティングリサーチの世界的老舗Kantar Worldpanelの最近の数字によると、iPhone 5sとiPhone 5cというペアリリースにより、スマートフォンの売上におけるAppleのシェアは前月比では伸びたものの、それはあくまでも一時的な上昇であり、前年比ではAndroidやWindows PhoneによるAppleのマーケットシェアの浸食が続いている。
Appleの新型機が発売されたのは9月の終りごろで、その週末には両機合わせて900万台が売れた。Kantarのデータでは11月までののべ3か月におけるAppleのスマートフォンのシェアは、日本69.1%、合衆国43.1%*、オーストラリア35.0%、イギリス30.6%となった。〔*: 下表〕
これら最近月におけるAppleのマーケットシェアは新製品効果と高い顧客満足度により一時的に伸びたものの、2013年全年では伸び悩んだ。そしてそれに対し、LG、Sony、NokiaなどのAndroid下位勢力が盛り返してきた。
コンスタントにマーケットシェアを伸ばしているのはAndroidだが、とくにヨーロッパではWindows PhoneもiOSの落ち込みに一部貢献し、自己のシェアを8.7%へと上昇させた。ヨーロッパの五大市場(イギリス、フランス、イタリア、ドイツ、スペイン)では11月までの3か月のシェアが10%となり、それまでに比べて5.3%増加した。
一方Appleのシェアは前年比で下降し、とくに合衆国市場では10%近く落ち込んだ(下表, -9.9%)。なお合衆国のWindows Phoneは、同じ期間に2.1%増加して4.7%になった(下表)。
[表1]
イタリアでもAppleのマーケットシェアは大きく下降して、11月の前年比で9.1%のシェア喪失を経験した。上記EU5か国では、iOSのシェアの落ち込み幅は6.5%だった(下表)。
ヨーロッパではWindows Phoneだけでなく、Androidもシェアを伸ばし、7.6%の上昇、69.1%のマーケットシェアを達成した(上表)。また合衆国ではAndroidのシェアは8%伸びて50.3%となった(表1)。
ヨーロッパで伸び始めたWindows Phoneだが、合衆国と中国では依然として苦戦が続き、とくに中国市場では2.7%のシェアしかなく、しかも前年比の伸びがない(下表)。
Kantar Worldpanel ComTechの戦略的インサイト部長Dominic Sunneboは、Windows Phoneについて次のように述べている: “スマートフォンの市場で勝つために中国と合衆国を征服する必要はないが、どちらか一つで成功する必要はある。しかしWindows Phoneは今のところ、両国で今後伸びていく兆候がほとんどない。これらの市場で早急に力をつけないかぎり、ファンによる波及効果の乏しさがその市場性の深刻な制約になるだろう”。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))