AndroidのパフォーマンスブースターDroidBoosterで知られるフランスのFlexyCoreを、このほどGoogleが買収した。金額等の条件は公表されていないが、この買収を最初に報じたフランスのL’Expansion紙は、2300万ドルと推測している。
Googleは買収を確認し、FlexyCoreの強力なチームと“Androidデバイスのパフォーマンスを最適化するソフトウェアを構築する高度な技術力”を買収の動機としている。というかFlexyのチームはすでにGoogleのAndroidチームに統合されており、買収の話は昨年9月に始まって今月初めに決着とほぼ1年かかったようだ。ヨーロッパの買収案件は一般的に進展が遅いが、それにしても長すぎる。しかも目的が企業買収というより人材獲得だけに、なおさら。
5年前に創業されたFlexyCoreの主製品DroidBoosterは、Androidデバイスのパフォーマンス、とくにスピードと電池寿命を上げる。この二つはどちらもスマートフォンの市場競争においてきわめて重要だ。同社の主張によると、ARMベースのデバイスのパフォーマンスを最大10倍に上げる。何をやるのかというと、DalvikのコードをARMのバイナリへビルドする際に徹底的な最適化を行うのだ。
最適化される対象機は、ハイエンド機とローエンド機の両方だ。機種のタイプによって、Androidの新しい機能を取り入れたり、あるいは既存の機能を拡張したりする。セールストーク的には、“ハイエンドのパフォーマンスをローエンドデバイスにもたらす”、となる。それによってAndroidを、マスマーケットの勝者にする、と。実際、今ではその通りになっている。とくにAndroidハンドセットのこれからの市場は、ますます途上国が多くなるから、低価格機でありながらハイパフォーマンスであることは、売れるための絶対条件だ。
FlexyCoreは最初、フランスの国営インキュベータEmergysに支援され、パリのVC Sochrastemから150万ユーロの資金を獲得している。だからL’Expansion紙の2300万ドル説は、フランス企業の出口としては、とても立派な額だと言える。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))