Android 11のパブリックベータが初登場、バブル通知や改良されたオートフィルなどを搭載

Google(グーグル)は米国時間6月10日、デベロッパー向けプレビュー版に続いてAndroid 11の最初のベータ版をリリースした。ベータ版は携帯ネットワーク経由でダウンロード、インストールできる。今回のリリースでサポートされたデバイスはPixel 2、3、3a、4だ。

私なら日常使っているデバイスにインストールするのはもう少しテスト結果の報告が上がってからにするところだが、勇気のある読者はベータ版のテストに参加できる。 いつものとおり、グーグルはエミュレータをアップデートして、スマートフォンにインストールしなくともAndroid 11を評価できるようにしており、OSイメージも公開されている。

同社のAndroidブログによれば、今回のアップデートのテーマは、人々、コントロール、 プライバシーの3分野だという。


前回同様、今回のアップデートでも通知の改善に力を入れている。 Android 11では通知はプルダウン画面のトップに専用セクションが割当てられた。ユーザーはこの通知画面から直接「後で」を設定できる。メッセージに返事をしなければならないが今は手が離せないときなど便利だ。もうひとつ通知システムの新しい機能は「バブル通知」だ。バブルはユーザーがアプリを切り替えてもその上にフロート表示される。バブル通知はユーザーが別のアプリで仕事しているときや、ゲーム中にも表示される。

もう1つのアップデートは入力候補の提示方法の統合だ。これで設定が面倒だったオートフィル機能が使いやすくなった。パスワードマネージャやサードパーティーの入力アプリを利用する場合でも、カーソルが位置している画面の内容に応じた適切な候補が表示される。パスワードマネージャを使おうとするとアプリごとに設定しなければならず苦労したユーザーも多いだろう。

デバイスのコントロールとしては音声利用が強化された。Android 11ではデバイス画面に現在何が表示されているか認識するための新しいシステムが追加され、音声コマンドが利用できるラベルとアクセスポイントを自動的に生成する。.

コントロール分野では 電源ボタン長押しでスマートホームデバイスのコントロールが表示できるようになった。ただしこの機能で表示されるようにするにはメーカー側でGoogleの新しいAPIを利用する必要がある。またベータ版の今後のアップデートでメディアの音声コントロールが可能になる。これにより音声でオーディオ、ビデオのコンテンツの出力先を切り替えられる。つまり出力先をヘッドフォン、外付けスピーカー、デジタル対応テレビなどに簡単に変更できるようになる(この機能は現在はプレビュー版のみ)。

プライバシー管理では「1回限りの許可」が追加された。これはアプリが、マイク、カメラ、位置情報に1回だけアクセスできるようにする権限だ。アプリをしばらく利用していないとシステムは権限を自動的にリセットする。

数か月前、Googleはアプリがバックグラウンドで位置情報にアクセスするにはユーザーの明示的承認を得ねばならないこととすると発表した。 これには多くのデベロッパーから「対応する時間がない」という声が上がったため、Googleはデベロッパーがアプリをアップデートする余裕を与えるために2021年まで現行のポリシーを維持するという。

以上はユーザー向けの新機能だが、これに加えてグーグルはAndroidデベロッパー向けツールもアップデート(未訳記事)した。

画像:TechCrunch

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。