Googleは、5月のI/Oカンファレンスで発表したAndroid Goに、これまでいろいろ手を加えてきた。そしてこの軽量OSはこのほど、やや名前を変えてローンチすることになった。ベースはAndroid 8.1だが、そのお名前は、前よりも印象の薄いAndroid Oreo(Go edition)となった。〔OreoはAndroid 8.xの愛称〕
名前が示しているように、このGoバージョンはAndroidのメインバージョン(8.x)となんら変わりはない。むしろソフトウェアのタイプは多くの点で目立つ違いはなく、アップデートのサイクルも標準バージョンと合わせるために、専属のチームを配置している。
Googleが今夜(米国時間12/4)発表の場として選んだのは、インドのイベント会場だ。つまりこの軽量OSの、ねらいどころである市場だ。同社は最近のブログ記事で、Androidユーザーは今やインドの方がアメリカより多い、と言い、そのほかの途上国と共に巨大な市場であることを示唆した。この急成長市場にはかつてMozillaやNokiaも挑戦したが、Google(==Android)ほどには、うまく行かなかった。
今、アクティブなAndroidデバイスは世界中に20億以上ある。すでに、確固たる市場地位だ。Go Editionは、それらの中に多い、機能的性能的にいまいちのデバイスでも、今後の製品ではできるかぎり最良のAndroid体験が得られるよう作られている。たとえばメモリ搭載量は、512MB-1GBを想定して構成されている。
Googleによると、Oreo(Go Edition)がエンドユーザーにもたらす利点は、数えきれないほど多い。まず立ち上がり時間は30%はやくなる。ストレージスペースは最大で2倍まで最適化している。それは、Goのアプリ側の最適化努力によるところも大きい。主なものを挙げると、Google Go, Google Assistant Go, YouTube Go, Google Maps Go, Gmail Go, Gboard, Chrome, Files Goなどなどだ。Filesは、新たに登場したファイル管理アプリである。Play StoreのGoバージョンもあり、軽量アプリを揃えている。
総じて、標準版のOreoから変えたところは最小限だ。最近プレビューした機能やマルチユーザー設定などを除けば、完全版のAndroidを大きく端折(はしょ)った部分はない。また、提供地域も限定していない。明日、グローバルに可利用になる。そして互換機は来年早々発売されるだろう。