米国時間5月18日、Googleは開発者会議「I/O」でTVプラットフォームの最新情報を公表した。同社によると、2020年後半に登場したChromecastのGoogle TVやスマートテレビなどのプラットフォームを含めて、Android TV OSの月間アクティブデバイスは8000万台を超えた。また同社は、利用者向けのリモコン機能の他、キャスティングやエミュレータなどの開発者向けアップデートといったAndroid TV OSにこれから登場する新機能も紹介している。
Googleは2021年秋にGoogle TVエクスペリエンスを発表してAndroid TV OSの位置づけを変更した。新しいGoogle TVは裏側ではAndroid TVが動作するもので、Chromecast with Google TVやソニーのスマートテレビ、そして近々一部のTCLのテレビに搭載される。GoogleはI/Oイベントで月間アクティブデバイス数が8000万台に達したと発表した際に、Android TV OSの成長の80%以上は米国からのものだと述べた。
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Googleが発表した節目の数字では、Android TV OSがRokuやAmazon Fire TVといったライバルより先行しているように見えるかもしれない。月間アクティブアカウント数はRokuが5360万、Amazon Fire TVが5000万以上だ。しかしこれは数え方が違う。
Android TV OSの数字は、月内に利用されたデバイスの数をカウントして計算されている。つまり1人のユーザーが複数のデバイスを持っていれば別のデバイスとしてカウントされ、複数の家族が1台のデバイスで見ていれば1台とカウントされる。
RokuとAmazonは月間アクティブユーザーを、月内に利用された「アカウント」と定義している。つまり、あるアカウントが複数のデバイスにストリーミングしても、1つとカウントされる。もしRokuやAmazonがGoogleと同じ方法でアクティブなデバイスを計算すれば、数字はもっと増えるだろう。
さらに、RokuとAmazon Fire TVはそれぞれの企業が提供しているデバイスのラインナップとパートナーが提供する一部のテレビで利用でき、一方でGoogleのAndroid TV OSのデバイスやサービスはテレビやストリーミングデバイスのブランドパートナーとテレビサービスプロバイダでも利用できる。つまり全体の数字にAndroid TV OSが動作する事業者の分やセットトップボックスも含まれるということだ。これは市場の種類が異なる。
同日にGoogleはAndroidにリモコン機能を追加することも発表した。このためユーザーはリモコンが見当たらなくなってもテレビを操作できるようになる。この機能が登場するのは2021年後半の予定で、ユーザー名やパスワードを入力したり長いタイトルを検索したりするのが楽になるとGoogleは説明している。Google TVを含めAndroid TV OSの全ユーザーがこの機能を利用できるようになる。
一方、GoogleはAndroid TVエクスペリエンスの開発者向けにも今後登場する新機能をいくつか発表した。Cast Connectは、ユーザーがスマートフォンやタブレットのChromeブラウザからAndroid TVアプリにキャストできる機能だ。Stream Transferはユーザーがメディアを別のデバイスに転送する機能、Stream Expansionは複数のデバイスでオーディオを再生する機能だ。
GoogleはAndroid 11で動作する初のGoogle TVエミュレータと従来のAndroid TVエクスペリエンスを備えたAndroid 11のイメージも提供する。開発者はエミュレータ内で直接、テレビのリモコンにもっと近いリモコンを使うこともできる。
開発者からの要望に応えて、Firebase Test LabにAndroid TVのサポートも追加する。提供開始当初はFirebase Test Lab Virtual Devicesとしてクラウド内の開発者のアプリをAndroid TVエミュレータ上で実行し、数百台、あるいは数千台のバーチャルデバイスでテストをスケールすることができる。物理的なデバイスのサポートは近日中に開始される。
最後に、米国時間5月18日からAndroid 12ベータ1がADT-3 Developer Kitでテレビ用として利用できるようになる。
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カテゴリー:ソフトウェア
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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)