Echo Dotが1台50ドル、または3台で130ドルだということを考えると、Alexaの普及を妨げる主要な要因は価格ではないだろう。しかしお馴染みAnkerが、Alexa内蔵のスマートスピーカーを、Amazonの最安のEchoを下回る35ドルという価格で提供する。本質的にそれは、標準的なEcho/Alexaの機能を全て備えた、Anker版Echo Dotだ。
今回発表されたGenieは、お買い得アクセサリメーカーAnkerによる、ホームオートメーションプロダクトラインEufy(ユーフィー)の最新作だ。このブランドは昨年開始されたものだが、スマートスピーカーは、Roombaの競合商品や、電球、壁のスイッチやコンセントなどと並んで、明らかに同社の新しいコネクテッドデバイスの系列に加わるものだ。
Ankerによれば、上記の製品のすべてがAlexa対応であるという事実を考えれば、GenieはEufy Smart Home Systemの「コア」だということだ。もちろん膨大なR&D費用を思えば、同社が自社製の家庭内スマートアシスタントを開発できない、あるいは開発したくないということは理解できる。しかし他社のAIにそれほど依存しているものを、自社のスマートホームシステムと言い切ることができるだろうか?
多くの会社が、Amazonが既に膨大な数を出荷したスマートスピーカーの流れに跳び乗ろうとしていることは驚きではないが、価格で勝負するのは厳しい。結局のところ、アマゾンは常にハードウェアを原価に近い価格で販売しているが、それはデバイスを通して行われるeコマースやコンテンツセールスで補えることを、十分に承知しているからだ。
もちろんAlexaをプロダクトに組み込む各社も、価格を抑えなければならないことは同じだ。もちろんこれらのサードパーティデバイスたちがEchoの売上に食い込む可能性はあるが、つまるところそれは、Amazonが家庭の中に別のAlexaポータルを持つということに他ならない。しかもこの場合Amazonは自分でデバイスに関する苦労を背負い込む必要がないのだ。
Ankerはプレスリリースに際して、Amazonの担当副社長にGenieは「35ドル未満」で入手することも可能だと言って貰っている。当然ながら、これはAlexaのスキルリスト(Alexa関連商品リスト)にも入っている。Ankerにとっては、顧客に多少安価なハードウェアの約束を提供することで、まだ熱いうちにトレンドに乗るチャンスだ。
Ankerはその音質がDotよりも良いことを約束している。Genieはまた、AmazonのFar-Field音声認識技術も採用しているので、他のEcho端末たちとも上手く共存できる。しかし、価格を低く抑えるために、Ankerは多少手抜きをしている部分もある、最も顕著なのはマイクの数で、Amazonの7つに対して、Genieでは2つにとどまる。このことが意味するのは、Amazonの製品ほどは「耳が良い」わけではないということだ。
私には、少しばかり安価なEcho Dotにどれ位の需要があるかはわからない。そして正直なところ、より多くの会社が、完全なEcho機能をそれぞれのコネクテッドホーム製品に組み込みつつある現在、こうしたとても安価なスマートスピーカーは過渡的なデバイスに思えてくる。しかし、もし興味があるならば、デバイスは8月16日に発売開始になる。もちろん、Amazon(米国)経由でだ。
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(翻訳:Sako)