App Annieのモバイルアプリの指標管理プラットフォームには現在70万以上のアプリが登録され、上位100の発行元の94%が利用している。今日、App Annieの機能にアプリ内アナリティクスが加わった。現在オープンベータで公開されたこのサービスは、Google Analyticsと連動する。開発者は5つのアプリストアと34の広告プラットフォームの横断的な指標を一つのオンライン上のダッシュボードから確認できる。
対応アプリストアはAppleのiTunes、Google Play、 Amazon Appstore、Windows StoreとWindows Phone Storeだ。またTapjoy、Inmobi、Applovin、Facebook、AdMob、AppLiftといった複数のサービスから広告データを集計することも可能だ。
アプリ開発者にとってアプリの利用データが重要なのは、ユーザーのアプリ利用率やアプリを再度利用する率といった数値からユーザーについての洞察を得ることができるからだ。
現在のアプリのマーケットプレイスにおいて、このような指標の重要性は増している。「ヒット」アプリの多くは、一瞬チャート上位に踊り出るものの直ぐに消えていってしまう。音楽のチャートでもしばしば見かける「一発屋」とそう変わらない。コンシューマーは新しいアプリを一定期間遊んでアプリをチャート上位に押し上げるが、しばらくしたら飽きて利用しなくなる。
多くの開発者は、短期的なブームになって直ぐに消えるのではなく、ユーザーが定期的に何回も利用したいと思うアプリ体験を提供しようと考えている。ゲーム制作会社にとっても、新しいレベルの開放やアップグレードをリリースしたのなら、中核となるユーザーベースに響くようにしたいのだ。
開発者はアプリ内アナリティクスにより、アプリのリテンション率を以前にリリースしたアプリと比較することで深い理解が得られるとApp Annieは説明している。メッセージの通知戦略が上手く機能し、毎日の利用セッション数やセッション時間が増加しているか、あるいはAndroidユーザーとiOSユーザーのエンゲージ率の違い、更には日本、韓国、中国といった重要な国際市場でのエンゲージ率など、他にも様々な指標を提供している。
また、App Annieはこれまでも提供してきたアプリストアや広告プラットフォームの指標も合わせて一つのダッシュボードにまとめて表示することができる。開発者は、アプリの利用率の向上で得られる収益まで分かるようになる。利用データの追加で、現在App Annieのダッシュボードは、合計セッション数、合計利用時間、一日の平均セッション数(日、週、月別)、平均セッション時間、アクティブユーザー数(日、週、月別)のデータを表示できる。
App Annieのアプリ内アナリティクスへの拡充は、 今年の初めに行ったMobidiaの買収と通じている。買収時、App Annieはアプリの利用率の指標を開発者に届けることが重要であると捉え、それの実現に向けてMobidiaを自社に加え、データセットを素早く拡充する考えであると説明した。特に国際市場へのリーチに関するデータが重要であると説明していた。各社の持つデータセットの統合で、App AnnieはiOSとAndroidの60カ国に渡る何百万人のユーザーの過去から現在までのデータを提供できるようになった。
買収は、App Annieが今年の初めからベータテストを行っていたUsage Intelligence(利用状況把握)プロダクトのローンチと共に発表された。最も近い競合他社を買収(以前のDistimoも含め)してプロダクトラインアップを増やすことで、App Annieはこの分野の勢いに乗り、ライバル企業を引き離す考えだ。多彩な機能の実装と大手発行元のニーズに応えることでApp Annieは、Electronic Arts、Google、LinkedIn、Line、Microsoft、Nexon、Nestle、Samsung、Tencent、Bandai Namco、Universal StudiosやDow Jonesといった有名企業を引きつけることに成功した。App Annieのカスタマー基盤はアプリストアの収益の半分程を占めている。
アプリ内アナリティクスは現在無料で利用することができるとApp Annieは伝えている。使用し始めるのに開発者はSDKをインストールする必要もなく、ダッシュボードの「connection」にGoogle Analyticsを追加すれば良いだけだ。
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