本日発表されたApp Annieからの新しいレポートによれば、今年のモバイルアプリの収益は、AndroidがiOSからトップの座を奪い去るという予測が出されている。とはいえ、この予測にはサードパーティのAndroidアプリストアも加えられているので、Google Play単体の数字ではない。AppleのApp StoreとGoogle Play単体を比較した場合、Appleは2021年まで首位の座を守ることが期待されると報告書は述べている。
App Annieによれば、2021年における全世界でのモバイルアプリダウンロード数は3520億件、消費者が全てのアプリストアで使う金額は、総額で1390億ドルを超えるものと予測されている。
2021年の時点で、その大きな部分を占めるとされるiOS App Storeの売上は、600億ドルを超えるものと予測されている。Google Playは420億ドル、そしてサードパーティストアは360億ドルだ。
Tencent、Baidu、Xiaomi、Huaweiなどを含むサードパーティストアたちは、昨年100億ドルの収益を挙げていて、2017年には200億ドルに成長すると見積もられている。
Androidアプリの市場の成長は、その多くが、中国における携帯電話の普及だけでなく、特にメキシコ、ブラジル、そしてインドネシアといった新興市場のおかげでもある。
これはアプリのダウンロード件数にも影響を与える。Google Play並びにそれ以外のストアからのAndroidダウンロードは年に23パーセントの割合で成長し、2021年には2999億件に達する。
アプリのダウンロード数は、比較的均等に世界中に分散しいているが、収益という点では異なっていることがApp Annieのレポートには記載されている。
データによれば、ダウンロード数トップ5の国々である中国、インド、米国、ブラジル、そしてインドネシアは、昨年のダウンロード数の54%を占めていて、これは2021年まであまり変化しないことが予測されている。
しかし収益から見たトップの国々は、中国、米国、日本、韓国、そして英国となり2016年のアプリストア収益の75%を占めている。これは、2021年までに85%に増えることが予想されている。
報告書では、この変化は成熟した市場のスマートフォン既存ユーザーによるゲームとブスクリプションの増加によるものとされている。そうした成熟市場として米国、日本、韓国なども挙げられているが、特に成熟しつつある中国市場の影響も大きい。
中国は、膨大な人口と増加する中産階級により、アプリストアの収益という意味で重要な役割を担っているが、レポートはその市場が成熟しつつあることも指摘している。中国のアプリユーザーの大半は、2021年までには習慣的利用のパターンに入ることが予想され、それによってダウンロード数の鈍化にも係わらず、収益の伸びが続くことが期待されている。
中国におけるダウンロード数が2016年から2021年にかけて毎年19%成長する一方で、消費者の支出は毎年24%増えて565億ドルに達する。大都市における中国のスマートフォン市場の多くは、既に飽和している。すなわち多くの成長は全国のそれ以外の地域からやってくるということだ。
一方インドは、アプリ市場の成熟サイクルという意味では、まだ初期段階である。そして2021年に向けて、ダウンロード数でも収益の面でも著しい成長が見られることになるだろう。ダウンロード数は2021年には毎年28%成長し230億件となり、アプリストアにおける支出は毎年75%増えて21億ドルとなるだろう。
インド自身の成長にもかかわらず、様々な要因によってこのエリアの消費者の支出は低くなりがちである、たとえばその要因として、乏しい購買力や、ゲームや娯楽に支払いを行うよりも節約を良しとする文化、などがApp Annieによって挙げられている。これがアプリ開発者たちに示唆することは、インドをターゲットにするにはまた別の収益モデル、例えば広告モデルなどを検討する必要があるということだ。
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(翻訳:Sako)