米国特許システムの徹底的な見直しが必要である証拠がまた見つかった。
今年2月本誌は、Appleが悪名高き訴訟屋のVirnetXに6.25億ドル支払うよう連邦裁判所から命じられたことを報じた。iPhoneのiMessageとFaceTimeのサービスがVirnetXの特許を侵害したとされたためだ。(VirnetXは収益のほとんどを特許ライセンスと裁判から得ていることから、特許ゴロと言われている。
Appleはすぐに控訴し、問題の特許は無効であると主張した。
しかし金曜日(米国時間9/30)夜の判決はその上訴を無にするものだった。テキサス州の連邦判事はAppleに対して、VirnetXのインターネットセキュリティー特許を無断で使用した損害に対して、3.02億ドル以上を支払うよう命じた。3.024億ドルの賠償額は、ほぼVirnetXの要求通りだ。
Appleはコメントを拒んだ。法廷文書によると、Appleは当該特許を意図的に侵害したかどうかも問われており、賠償が追加される可能性もある。Appleは、新しいバージョンのセキュリティー機能に関する別訴訟でもVirnetXと対決しなければならない。
去る8月には、以前VirnetXがAppleから6.256億ドルを勝ち取った訴訟を、陪審員が混乱していた(誰が非難できようか!)として判事が棄却したこともあった。
これは、いわゆる「特許ゴロ」対Appleの長い戦いの一環だ。2010年、ネバダ州拠点のVirnetXは、AppleがVPNをはじめとする4件のセキュリティー特許を侵害しているとして、テキサス東部地区連邦裁判所に提訴した。
今回の裁判で陪審員らは、以前Appleが侵害したと裁定されたVirnetXの特許2件に関する損害に加え、別の特許2件についても侵害と損害を判断する必要があった。
裁判が行われたテキサス東部地域連邦裁判所は、損害陪償裁判で原告に有利な判決を下すことで知られている。
2013年、iOSのFaceTimeおよびVPNサービスがVirnetXの特許を侵害していると連邦裁判所が判決を下したことで、Appleから3.68億ドルを勝ち取った。Appleはサービスを変更したが、Virnetは変更が十分でないと再び訴え出た。VirnetXはCisco、Avay、Siemensらに対しても特許侵害で訴訟してきた。
2014年のMicrosoftとの争いでは、Skypeで使用された特許を巡り示談の末2400万ドルを勝ち取り、2010年の裁判では2億ドルを手に入れた。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)