Apple、自動運転車部門の200人を配置転換

通称“プロジェクト・タイタン”と呼ばれる、Appleの自動運転車をつくるという密やかな取り組みは今年試練の時をむかえた。Appleはこの部門に従事していた従業員200人を配置転換した。

情報筋の話を引用しているCNBCの報道によると、200人規模のスタッフはApple内の別のプロジェクトに移され、一方で規模は不明だが他の部門のスタッフも同じタイミングで配置転換された。Appleはこの報道に素早く反応し、そこには自動運転分野で“野心”を抱えているというまれな言及とともに、報道内容を認めた。

「我々は、自動運転システムに取り組む非常に才能のあるスタッフを抱えている。チームは2019年のいくつかの鍵となるエリアに専念しているが、一部のグループは社内の他の部門のプロジェクトに異動してもらう。異動先では機械学習や、Apple内でも進取性のあることをサポートする。我々は自動運転システムには大きなチャンスがあると引き続き確信している。そして、そこに貢献できるだけの能力をAppleは持っている。と同時に、これはこれまでで最も野心的な機械学習プロジェクトでもある」と広報は語った。

TechCrunchはさらなるコメントをAppleに求めているが、この記事執筆時点で返事はない。

プロジェクト・タイタンはAppleベテランのBob Mansfield、そしてTeslaを辞めて10月に再びAppleに戻ってきた元Macハードウェアエンジニアリング担当副社長Doug Fieldが率いる新体制となり、スタッフ削減と再編は近いと予想されていた、とCNBCは報じた。

それでも、このプロジェクトについては多くが伏せられている。車両のルーフに変わったテック機材を載せているところ(ここには一連のセンサーや自動ハードウェアも含まれる)など予告のようなものはあり、Appleは昨年1月に車両台数を倍増させた、とされていた。CEOのTIm Cookは以前、Appleの車開発を“全てのAIプロジェクトの母”と呼んでいた。それから推測するに、ミステリーではあるものの、確かにAppleがかなり注力していたのは確かだろう。

Appleがプロジェクトを再編するのはこれが初めてではない。2016年には自前の車を開発するという大胆な目標を断念し、車をスマートにすることを選択した、と言われている。Fieldをプロジェクトの責任者として任命し、再編した今後、戦略がどうなるかは不透明だ。

イメージクレジット: Anthony Kwan/Bloomberg / Getty Images (Image has been modified)

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TechCrunch Japan

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