AppleのDeveloper Programが統合されたのに伴い、アカウントに登録できるデバイスの上限の変更が行われた。細かいが、注目に値する変更かも知れない。これまで、開発者は100デバイスまでアカウントに登録することができたが、今回の変更で上限が500に引き上げられた。各プラットフォームに100のデバイス登録スロットが設けられたのだ。各プラットフォームというと、iPhone、iPad、iPod touch、Apple WatchとApple TVだ。ちょっと待って、Apple TV?
その通り。AppleはApple TV専用に100スロットを準備した。まだ専用のApp Storeが無いソフトウェアプラットフォームだが、その登場は長いこと噂されている。
AppleはXcodeのアップグレードに取り組んでいて、それにはアプリ開発者がApple TV用のサードパーティーアプリを作るための開発ツールも含まれるという情報もある。しかしThe New York Timesは、Apple TVの新製品は、まだ準備が整っていないため、今年のWWDCでの発表は延期されると先日報じたばかりだ。これから登場予定のApple TVのハードウェアは、中身に改良が加えられ、また専用のApp Storeと、インターネットベースのTVサービスも含まれると噂されている。最後のTVサービスに関しては、ほぼ確定情報だと見られている。(Apple TVにはいくつか公認TVアプリもあるが、選ばれたパートナー企業のものだけだ。完全なApp Storeではない。)
Appleが提供する登録スロットは、開発者がApp Storeでの公開ローンチ前のアプリ検証や、新しいiOSのリリース前などでも、リリース予定のAppleのソフトウェアでアプリ検証を行うためにある。
開発者が登録できる対応デバイスの種類としてApple TVがオプションとして加えられたのは、新しいことではないが、今回の変更で重要なのはその部分ではないだろう。数人の開発者が指摘しているように、以前からApple TVは登録オプションとして存在した。開発者はApple TVソフトウェアのベータ版を加え、AirPlayでのベータ検証を行うためには、Apple TVをデバイスのリストに加えなければならないからだ。
Apple TV apps are coming pic.twitter.com/wOR98JOY6e
— Ouriel Ohayon (@OurielOhayon) June 9, 2015
全てのプラットフォームにそれぞれ100スロットが付与されたのは、単に分かりやすくするためと捉えることもできる。しかし、Apple TVソフトウェアのベータ検証のためだけなら、100スロットもApple TVに用意するのは少し多いように思う。少なくとも、そう考えることもできる。
Apple TVのプラットフォームにサードパーティのアプリやゲームを向かい入れる準備のために、このような変更を行ったのではないかと考えた方が自然かもしれない。おそらく、開発者がApple TV用のアプリを製作できるようになるなら、彼らは大量の検証用スロットが必要になるだろう。例えば、iPhoneやiPadと同程度の数が必要になることが考えられる。
MacRumorsは、開発者が自分のアカウントに施された変更に関するツイートを受け、上限が引き上げられたことを報じた。また、数年前に複数の開発者のアカウントでの登録デバイス数の上限が200になったこともあると伝えたが、上限が500に引き上げられたことは、全く新しいことで、全体を通しての変更であるようだと伝えた。
デバイスの上限変更は、Apple TVのApp Store計画の確たる証拠にはならないが、今後予定されているもののヒントではありそうだ。
[原文へ]