開発者コミュニティーのダイバーシティの促進を図るため、AppleはWWDCのスカラシップの数を増やすことを発表した。AppleのWorldwide Developers Conferenceはサンフランシスコで6月に開催されるが、学生や開発者もスカラシップを得ることで参加することができる。昨年、AppleはNational Center for Women & IT (NCWIT)と協力し、200人にスカラシップを提供した。今年は、20以上のSTEM(科学技術教育)団体をパートナーに迎え、スカラシップの数を350に増やす。
パートナーとなるSTEM団体には、App Camp for Girls、Black Founders、 Black Girls Code、 Blacks in Technology、 Coalition for Queens、 Code.org、 Code2040、 CodeNow、 Girl Develop It、 Girls Who Code、 Hack the Hood、 Hack bright Academy、 LaTechLa、 Latinos in Information、 Science and Technology Association (LISTA)、 National Center for Women & Information Technology (NCWIT)、 National Society of Black Engineers (NSBE)、 Technovation、 Thurgood Marshall College Fund、 Women Who Code、 や #YesWeCodeなどだ。
多くのテック企業がそうであるようにAppleの職場の大部分を占めるのは白人男性だ。Appleの ダイバーシティの報告では、女性は職場の全体の30%だそうだ。技術職の数字は更に下がり、20%に留まる。全体で見るとAppleの従業員は、55%が白人、15%がアジア人、11%はヒスパニック系、7%が黒人だ。
ダイバーシティの欠如は社会の問題だけではない。社内でバランスが整っていないことには、新しいアイディアや革新を呼びこむことができず、会社の基礎となる力に影響することになる。
最近でも偏ったバランスが引き起こした問題がある。男性だけで構成される社内で作成されたプロダクトは、女性目線が欠ける。AppleはHealthKitを紹介したが、女性のヘルスケアに対するニーズへの考慮が足りなかった。Appleのヘルスケアアプリでは、睡眠時間、体重、心拍数、更には摂取したナトリウム、銅やセレンの量など、多様の指標をトラックすることができる。しかし、何人もの人 が 指摘したように、このアプリは女性の健康にとって重要な指標をトラックすることができない。月経の周期だ。女性の声が聞かれない職場では、このようなことが見落とされることがあるのだ。
スカラシップの数を増やし、STEM団体とパートナーシップを組むことで、Appleは様々な人をイベントに呼びたいと考えている。それは開発者コミュニティーを育て、業界内で成功を収め続けるための礎となる。今回は女性だけでなく、黒人、ラテンアメリカ人の若い開発者にリーチする。今年のWWDCでは、Appleのエンジニアによる100以上の技術セッションが行われる。そこでは、Appleの開発ツールを最大限に活かすための講義が行われる。セッションやハンズオンでの研究も参加者にとって魅力的だが、更に重要なのは他の開発者と交流を持ち、業界内でのコネクションを作ることもできることだ。彼らのキャリアにとって価値あるイベントとなるだろう。
Appleが選んだSTEM団体の学生やメンバー、あるいは卒業生で、13才以上であればスカラシップを申し込むことができる。また、通常のWWDCの参加者とは違い、スカラシップの参加者はAppleの有料の開発プログラムのメンバーである必要はない。しかし、学生開発者がスカラシップを受けるためには、アプリを制作して提出することが求められる。
アプリの提出のプロセスについての詳細ガイドラインは、Appleの開発者ウェブサイトで共有されていて、 ここから見ることができる。MacかiOSアプリはObjective-CかSwift、あるいは全てSwiftで書かれている必要があると記されている。提出期間は、4月22日水曜日から、4月26日日曜日の午後5時(PDT時間)までだ。
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