Apple(アップル)の特典付きクレジットカードのApple Cardは、初めての新規登録ボーナスを米国の薬局チェーンであるWalgreens(ウォルグリーンズ)との提携で実施する。6月1日にアップルとWalgreensは、Apple Cardを作成・入手後30日以内にWalgreensで50ドル以上買い物をした人に、Apple CardのキャッシュバックであるDaily Cash 50ドルぶんを付与する新サービスを導入した。
期間限定特典の詳しい内容はは、アップルのウェブサイトに記載されているほか、WalgreensのiOSアプリの「Weekly Ad & Coupons」ページの下にも表示される。特典付き新規登録の締切は2020年6月30日。
Walgreensはすでにアップルと密な関係をもっており、昨秋にはApple Cardを使った買い物に3%のDaily Cashを付加する提携企業に、小売業としてはUberに続いて加わった。現在、Walgreens(傘下の薬局・コンビニエンスストアチェーンのDuane Readeを含む)、Uber(Uber Eats)、T-Mobile、Nike、およびアップルは3% Daily Cashプログラムを展開している。それ以外のApple Cardによる購入でも2%または1%のキャッシュバックがあり、前者はApple Payを使った場合、後者はApple Payが使用できない店舗に適用される。
貯まったDaily Cashは、Apple Payの支払い時に利用できるほか、iMessageで家族や友達に送ったり、Apple Cardの請求残高から差し引いたりすることもできる。
WalgreensとDuane Read(デュエイン・リード)の店舗でApple Payを使った場合に3%のキャッシュバックが受けられるのに加えて、今から7月31日までの期間は、Walgreensドライブスルーで(Apple Payではなくチタン製の)Apple Cardを使って支払った場合にも3%がキャッシュバックされる。
昨今の特典付きクレジットカードのほとんどが、サインアップ時のボーナスを付与している。一部の年会費無料のクレジットカードもそうだ。「しかし、これまでApple Cardはその手のサインアップボーナスを顧客に提供していなかった」と、クレジットカードレビューサイトのCreditCard.comが今回の特典のレビュー記事(CreditCard.com記事)に書いている。例えば、米国でアメリカンエキスプレスが提供しているBlue Cash Everybody Cardや、Capital Oneが提供しているQuicksilver Cash Rewards Credit Cardは、条件に該当すれば150ドルが請求残高から差し引かれる。
「このサインアップボーナスはApple Cardにとっては初めてだが、時代の趨勢であることは間違いない」とNerdWalletのクレジットカード専門家であるSara Rathner(サラ・ラスナー)氏は言う。「消費傾向がわずか3カ月とも劇的に変わる今、クレジットカード業界全体が顧客の勧誘、維持のために変革を起こしている。Walgreensで買い物することに対して50ドルの特典を与えることは、消費者がこの種の特典にどの程度反応するかをApple Cardが試すひとつの手段なのかもしれない。
ただし、Apple Cardにはほかにも消費者にアピールする特典がある。カードに手数料は一切かからず、発行元のGoldman Sachs(ゴールドマン・サックス)はユーザーのデータを第三者に売ったり渡したりしないと約束している。クレジットカードを使う特典も欲しいが、プライバシーも守りたいという消費者にとって、Apple Cardがトップクラスの人気なのはこのためだ。
[原文へ]
(翻訳:Nob Takahashi / facebook )