Apple(アップル)は米国時間12月10日に、Apple Cardの保有者が新しいiPhoneを無利息で24カ月分割で購入できるプランを開始した。同社は10月の決算会見でこのプランを発表していたが、すべてのApple Card保有者に向けてスタートした。
さらに同社は、12月中に購入した人に追加特典を用意しており、アップル製品購入に対するキャッシュバックは通常3%だが、2019年12月31日までは6%になる。6%のキャッシュバックは、アップル直営店、オンラインストア、Apple Storeアプリのいずれから購入しても対象になる。
これまでにもアップルは、iPhone アップグレード・プログラムを通じてiPhoneを無利息で分割購入できる仕組みを提供してきた。しかし、このプログラムではローン会社のCitizens Oneの24カ月分割払いを利用する必要があり、返済遅延などの場合には何らかの手数料が生じる可能性があった。
今回の新しいiPhone分割購入プログラムは、アップル自身が提供するため、3%または6%(購入時期による)のキャッシュバックを含め、外部ローン会社が関与しないことによる特典があり、iPhoneのアプリ、Apple Wallet(Apple Pay)で直接支払うこともできる。
同社によると、毎月の支払いはカード保有者の最低返済額に自動的に上乗せされるので、支払いは月に1回だけでいい。キャッシュバックはユーザーのApple Cashの残高に加算され、その後のApple Pay経由の支払いに当てることもできる。
このiPhone分割購入プログラムは、将来さらに大きなサブスクリプション商品へと成長するための土台を築くものだ。いずれアップルは、iPhoneの購入と他のサブスクリプションを組み合わせたバンドル商品を提供するかもしれない。それによりユーザーはiPhoneと一緒に、iCloud、Apple Music、Apple TV+、Apple News+、Apple Arcadeなどのサービスをまとめて購入することができる。
現在、提供しているiPhone分割購入プログラムも、24カ月間ぶんのAppleCareをまとめて購入できるバンドル商品になっている。アップルは、その他のサブスクリプションサービスをバンドル化する試みも小規模ながら進めており、最近では学生向けにApple MusicとApple TV+の両方をApple Musicの料金(月額5ドル)だけで利用できる商品を発表している。
新しい分割購入プログラムは、現行のアップグレードプログラムに置き換わるものではない。現行のプログラムはApple Cardの保有者以外のために今後も継続される。しかしApple Cardの保有者は、次にiPhoneをアップグレードする時に、アップル自身が提供することで実現するさまざまな特典を利用するに違いない。
分割購入プログラムはこの秋に事前発表されていたが、同社CEOのTim Cook(ティム・クック)氏はプログラムを紹介した時にも明確な提供時期を明らかにせず、今年中には始まるとしか言わなかった。しかし、最近になってプログラムの詳細がApple Walletアプリに追加されたことで、サービス開始間近であることが示唆されていた。
(翻訳:Nob Takahashi / facebook )