宇宙スタートアップから今は上場企業となったAstra(アストラ)は、同社の新規顧客であるSpaceflight Inc.のためのデビューミッションで、2度目の軌道到達を果たした。
これは同ロケット打ち上げ企業にとっては大きな収穫だ。Astraは2021年11月に初めて軌道に乗ったが、それ以来、その偉業を再現できていなかった。今までは。
Astra-1ミッションは、アラスカ州のコディアック宇宙港から打ち上げられた。LV0009と名付けられたロケット3.3号機は、教科書通りの(つまり特筆すべきことのない、というのは打ち上げビジネスでは良いことだ)リフトオフとステージ分離を行った。今回の打ち上げでは、アマチュアのロケット愛好家グループであるPortland State Aerospace Society(PSAS、ポートランド州航空宇宙協会)の超小型衛星CubeSatやNearSpace Launchの衛星間通信システムなど、Spaceflightの3組の顧客のペイロードを軌道に乗せた。3番目の顧客は公表されていない。
同社は、打ち上げライブ配信の終了までに、顧客のペイロード展開を確認することはできなかった。展開が確認され次第、TechCrunchは記事を更新する。
【更新】AstraはTwitter(ツイッター)で、衛星が正常に展開されたことを確認した。
米国時間3月16日に行われた本日の打ち上げは、2025年まで続くSpaceflightとの契約における一連のミッションの最初のものであると、両社は14日に発表した。
Astraは2021年7月、SPAC合併によりNASDAQに上場し、従来のIPOプロセスを回避して株式市場へ参入する宇宙関連企業が増えている中、その仲間入りをした。その後、同社の株価は下落の一途をたどり、2月の直近の打ち上げ失敗の後、26%も下落することとなった。
同社は3月初め、失敗した打ち上げに関する予備的な事後報告を発表した。Astraのミッションマネジメント&アシュアランス担当シニアディレクターであるAndrew Griggs(アンドリュー・グリッグス)氏は、失敗の原因は、フェアリング分離機構の問題でステージ分離に異常をきたしてしまったことと、推力ベクトル制御システムのソフトウェアに問題があったことの2点であると述べていた。
「絶え間ないイテレーションと広範なテストを通じ行った変更により、LV0008で発生した不具合は解消され、ソフトウェア群はより安定しました」と同氏は述べた。
Astraには大きな計画がある。同社は2021年、投資家らに対して、2023年までに週1回、さらに2020年代半ばまでに1日1回の打ち上げを行うことを目標としていると語っている。
打ち上げの様子はこちらでご覧いただける。
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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Den Nakano)