AtlassianがJIRAを三つのスタンドアロンソフトウェアに分割、非技術系一般社員のコラボレーションツールも

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先月ひそかにIPOを申請したらしいAtlassianが今日(米国時間10/6)、同社の旗艦製品であるプロジェクト管理/問題追跡ツールJIRAの大型アップデートを発表し、それを三つのスタンドアロンプロジェクトに分割することになった。ソフトウェアチームのためにはJIRA Software、一般のビジネスチームのためにはJIRA Core、そしてITなどそのほかのサービスチームのためにはJIRA Service Deskとなる。

JIRAはローンチしてから13年間で急速に、開発チームの人気ツールに成長したが、今では技術者以外のユーザも増えている。そこでAtlassianは、そのための便宜を図ろうとしたのだ。これらの新しいスタンドアロンプロダクトはクラウドバージョンとオンプレミスバージョンがあり、どちらも最低料金は10名以内月額10ドルだ(JIRA Service Deskだけは3名以内月額10ドル)。

Atlassianの社長Jay Simonsによると、これはユーザ企業にとって重要なリリースであるだけでなく、Atlassianにとってもたぶん、これまでで最大のリリースだ。

JIRA Softwareは基本的にこのサービスの最新バージョンで、アジャイルソフトウェア開発のチームに焦点を当てている。ほかの二つと併せてユーザ体験のアップデートが若干行われており、また、JIRA体験の核となるボードまわりもアップデートされた。

JIRA Service Deskはこれまで、JIRAの中核的サービスのアドオンとして提供されていたが、今度からはスタンドアロンのプロダクトになる。

JIRA Core - HR

JIRA Coreは実は‘新製品’だ。これはJIRAのサービスからソフトウェア開発の部分を取り除いて、一般社員のための一般的なコラボレーションツールに仕立てたもの。一般的な用途のためのテンプレートを新たに加え、プロジェクトやタスクやイシューのページを容易にセットアップできるようにした。JIRAのユーザ企業数社の協力を求めて、技術系以外の一般社員によるベータの結果から、このJIRA Coreプロダクトの細部の磨き上げを行った。

確かに、最近のAtlassianとJIRAをめぐる話題の中では、ソフトウェア開発以外のユーザが増えている、という話がとても多かったのだ。それを知ってる人には、JIRA Coreはそれほど意外なプロダクトではないだろう。

Simonsは語る、“すでに需要の多いプロダクトにとって、また新しい機会が開けたと言える。JIRAが、より一般的なコラボレーションツールになってきた、ということだ”。今でも多くの企業で、メールや巨大なスプレッドシートを多用してコラボレーションが行われているが、JIRAを使うと、そういうかっこ悪いことが、なくなるのだ。

JIRAは現在、165か国35000社の企業で利用されている。中でもJIRA Cloudプロダクトはこのところ、年率50%以上でユーザ数が増加している。

IPOが視界に入ってきた同社は、デベロッパ以外の世界でも、持続可能な成長を維持しようとしている。今は、すべての企業が、ある程度は、ソフトウェア企業だ、と言われている。でもそこには多くの技術系以外の一般的社員たちがいて、JIRAのようなプロジェクト追跡サービスを採用することもなく、日々黙々と仕事をしている。一方、そういう企業では、少数派であるデベロッパたちも、JIRAのようなプロジェクトツールを欠いたまま、毎日、いきあたりばったりの方法でバグを調べている。

〔訳注: 最初デバッグにMozillaのBugzillaを使っていたチームがそれを、大好きな日本映画の主人公にちなみGozillaと呼ぶようになり、JIRAの前身となるデバッガを内製したとき、それをGojiraと命名。やがてGoが落ちてJIRAになった。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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