AT&Tは、同社が株式の大半を引き続き保有するもののDirecTVを独立した会社にするというプライベートエクイティファームTPGとの合意を発表した。
具体的には、AT&Tは新会社の株式の70%を保有し、TPGが残る30%を持つ。この取引によりDirecTVの価値は162億5000万ドル(約1兆7255億円)となり、通信会社とメディア間の買収の波の中でAT&TがDirecTVを2015年に買収したときに支払った485億ドル(約5兆1487億円)を大幅に下回る(AOLの買収によりVerizonはTechCrunchを所有している)。
AT&T TVのような新たな商品(DirecTV、U-Verseサービスとともに独立会社の一部となる)があっても有料テレビの契約者数は減少していて、直近の四半期でAT&Tは61万7000人のプレミアムビデオ契約者を失ったと報告した。同社は「契約者の減少は2019年がピークだった」「プレミアムビデオの純損失は5四半期連続で改善している」と指摘し、数字の中にポジティブなトレンドを見出そうとしている。
一方で同社はTime Warner(現在はWarnerMedia)の大型買収を行い、テレビに関する野心はストリーミングサービスHBO Maxにフォーカスされているようだ。
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「有料テレビ産業が進化し続けているなかで、米国のビデオ事業を別に運営するためにTPGと新たな会社を作ることで、高品質の顧客ベースと事業の収益性というニーズに応え続けるために必要なフレキシビリティとマネジメントフォーカスが得られます」とAT&TのCEOであるJohn Stankey(ジョン・スタンキー)氏は声明で述べた。「TPGはこの取引の正しいパートナーであり、新たな会社を設置することは最適な価値創生のためにビデオ事業を組み立てて管理する正しい方法です」。
この取引は2021年第2四半期に完了すると述べた。結合後の企業はAT&Tに78億ドル(約8273億円)を支払う見込みで、AT&Tはその金を借金返済に充てる。同社はまた、取引が完了すれば現在AT&Tの米国ビデオ事業の社長であるBill Morrow(ビル・モロウ)氏がDirecTVのCEOに就任するとも述べた。
ウォール・ストリートジャーナルは2020年、AT&TがDirecTVのディールを検討していると報じていた。
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(文:Anthony Ha、翻訳:Nariko Mizoguchi)