AWSがECSとEKSサービスをデータセンターに提供、EKSはオープンソース化

米国時間12月1日に開催された「AWS re:Invent」2020カンファレンスで、Andy Jassy(アンディ・ジャシー)氏は企業がクラウドを強力に推進していることについて多くを語ったが、同日のコンテナに焦点を当てたイベントで、オンプレミスでもクラウドでも実行できるように設計されているECS AnywhereとEKS Anywhereの発表もデータセンターに大きな反響を与えた。

これら2つのサービス、つまり汎用コンテナオーケストレーションのECSとKubernetesに焦点を当てたEKSは、顧客がこれらの人気のAWSサービスをオンプレミスで利用できるようにする。ジャシー氏によると、一部の顧客はまだオンプレミスで使用しているのと同じツールを望んでおり、今回のサービスはそれを提供するために設計されている。

ECSについては「クラウドへの移行を進める中では、まだオンプレミスで実行しなければならないコンテナをたくさん持っているというものや、AWSでもオンプレミスやユーザから作業を依頼されているのと同じ管理とデプロイのメカニズムを持っていて欲しい、という要望もあります。そこで、2つの発表を皆さんにお知らせしたいと思います。1つ目はAmazon ECS Anywhereの発表で、これによりECSと独自のデータセンターを運用することができます」と、同氏はカンファレンスで語った。

画像クレジット:AWS

ジャシー氏によると、これにより同等のAWSのAPIとクラスタ構成管理機能が得られるという。これはEKSでも同じように動作し、サービスをどこで使用しているかに関わらず、単一での管理方法を可能にする。

同時にAmazon(アマゾン)は、自社運営のKubernetesサービスによるEKSをオープンソース化することも発表した。これらの動きの背景には顧客にできる限りの柔軟性を与え、Microsoft(マイクロソフト)やIBM、Google(グーグル)が主張してきたこと、つまり我々はマルチクラウドやハイブリッドの世界に生きており、人々はすべてをすぐにクラウドに移行するわけではないということを認識していることになる。

実際にジャシー氏は冒頭で、2020年現在の世界のIT支出のうちクラウドに費やされているのはわずか4%にすぎないと述べた。つまり、オンプレミスでサービスを販売することで収益を得ることができ、これらのサービスはそれを実現するということだ。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:AWS re:InventAWSAmazonKubernetes

画像クレジット:AWS / Getty Images

原文へ

(翻訳:塚本直樹 / Twitter

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。