昨年AdobeとSAP、Microsoftの3社はOpen Data Initiativeを結成した。負けてはならじとAWSとSalesforce、Genesysの3社もThe Linux Foundationと提携してCloud Information Modelを発表した。
2つの競合するデータモデルには共通点がたくさんある。どちらも、データを集めて共通のオープンモデルを適用する。こうした大会社のソフトウェアのユーザーがよく経験する問題であるプロダクト間の相互運用を容易にしよう、という考えだ。
Linux Foundationのエグゼクティブディレクター、Jim Zemlin(ジム・ゼムリン)氏は、このプロジェクトはCloud Information Modelの中立なプラットフォームを提供するものであり、コミュニティーの人々が協力して問題解決にあたることができる、と語った。「セントラルガバナンスモデルの下で協力することでコミュニティーの誰もが貢献できる。コミュニティー全体のデータ相互運用と規格開発の推進と、急速な普及に対応するための道をひらく」とZemlin氏は声明で語った。
当初は参加各社ごとに異なった形でモデルを使用する。AWSはAWS Lake Formation ツールと併せて使用することで、顧客がさまざまなデータソースから得たデータの移動やカタログ化、保存、事前処理などを行うのを助ける。一方、Genesysの顧客はクラウドとAIプロダクトを使ってさまざまなチャネルを横断してコミュニケーションをとる。
SalesforceのPatric Stokes氏は、Cloud Information Modelを自社のCustomer 360プラットフォームの基礎的データモデルとして使うと言っている。「AWS、Genesys、The Linux Foundationというパートナーを得て、このデータモデルをオープンソース化することを大いに喜んでいる」とStokes氏はTechCrunchに語った。
もちろん、競合する2つの「オープン」データモデルが出てきたことで、両プロジェクトが一緒になる道が見つかるまで何らかの摩擦は避けられない。事実はと言えば、多くの会社がこれら各社のツールを使っているので、もし競争が続くようなら、そもそもこうしたイニシアティブを作る目的に反している。
MicrosoftのSatya Nadella(サティア・ナデラ)氏が 2015年にこう話していた。「それは私たちの責務なのです。特に私たちのようなプラットフォームベンダーは、顧客の抱える本当に困っている問題を解決するために、幅広いパートナーシップを結ぶことが求められているのです」。もしそうであれば、競合するモデルが存在していては目的を果たすことができない。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )