現地時間3月25日、ドイツ・ベルリンを拠点とする有料言語学習アプリのBabbelが、新型コロナウイルスの流行が拡大する中、同社のサービスを3カ月間、米国の小学生から大学生を対象に無料で提供すると発表した。これまでにも同社は、同様の支援をイタリア、英国、ドイツ、スペイン、フランスの学生に対して提供していた。
同社のサービスでは現在、スペイン語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、ポーランド語、ロシア語、オランダ語、トルコ語、デンマーク語、ノルウェー語、スウェーデン語、インドネシア語、英語のコースが提供されている。サインアップしたい学生(または子供に学習させたい保護者)は、有効な学校のメールアドレスで登録するだけだ。
米国BabbleのCEOであるJulie Hansen(ジュリー・ハンセン)氏は「高校や大学の休校で影響を受ける学生の数は米国全土で日々増え続け、教育システムは今後数週間でさらに混乱すると予想される。学生たちが家にいることを余儀なくされているため、Babbelは今すぐ学生たちを支援する立場にあり、支援することがまさに我々の望みだ。世界中に懸念が広がる状況で、我々は分断ではなく、世界中の人々との共通点に気づかされている」と語る。
Babbelは筆者に対し、休校中の学生に言語スキルの練習を継続させたい学校からの需要が増えているとも語った。ただし、このような学生を除いても、Babbelの登録者数は全体に増えている。たいていの人は休暇に向けたこの時期に言語の基本を学ぼうとは考えないので、これはちょっとした驚きだ。
BabbelのCEOのArne Schepker(アーネ・シェプカー)氏は次のように述べている。「世界中の人々が在宅を強いられているため、我々のサービスでの学習活動は急激に増加している。これまで以上に多くの人々が現在、Babbelで新たな言語を学習し始めている。これは我々にとってたいへんうれしいことであり、謙虚な気持ちにもなる。我々が皆さんの生活を少しでも向上させる助けになれるなら、望外の喜びだ」。
Babbelの新規登録者数は、パンデミックが注目されるとあまり増えなくなり、その後、休校や在宅指示によって再び増え始める。これは各地で同様の傾向だ。既存の登録者にも同じような傾向があり、現在は全般にアクティブになっている。ただし当然のことながら、「旅行」は今回のパンデミックが始まる前に比べると新規学習者の動機にはなっていない。
人気の無料言語学習アプリのDuolingoも、同じようにユーザー数が増えている。Duolingoは筆者に対し、新規ユーザーは世界中で40%増加し、特に隔離対策を積極的にとっている国での伸びが大きいと述べた。先週だけで、米国では91%増加し、フランスやスペインなどヨーロッパの各国ではさらに大きく増加している。中国などでTOEFLやIELTSのテストセンターが閉鎖されていることに伴い、Duolingoの認定プログラムは中国と韓国で300%に迫る伸びとなっている。
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(翻訳:Kaori Koyama)