BeatroboがローソンHMVエンタテイメントなどから110万ドルを調達–「PlugAir」事業を加速

Beatroboは4月21日、ローソンHMVエンタテイメント(LHE)と Genuine Startupsから110万ドルの資金調達を実施したことを明らかにした。米国デラウェア州に登記するBeatroboだが、1月に100%子会社となる日本法人を設立。まもなく日本オフィスを代々木に移転、拡張する。

同社では、最初のプロダクトであるソーシャル音楽共有サービス「Beatrobo」に加えて、スマートフォンのイヤホンジャックにデバイスを挿して音楽を再生したり、デジタルコンテンツを配信できるデバイス「PlugAir」を開発している。今回調達した資金をもとに、PlugAirの開発や人員強化を進めるとしている。

LHEといえば、エンターテインメントやイベントのチケット販売、CDやDVDのオンライン販売などを手がけている。同社に対しては、今後国内でのPlugAirの製造に関するライセンスを提供することも予定する。これによって製造コストなどの課題をクリアして、PlugAirの普及を狙う。PlugAirは、これまでに米ロックバンドLINKIN PARKのファンクラブ向けグッズとして提供されたほか、Universal Musicやアミューズ所属のアーティストの楽曲販売、ツアーグッズとして提供された実績がある。今後はこういった事例も増やしていくという。

デバイスとしてのPlugAirの動作は、専用アプリを立ち上げてスマートフォンのイヤホンジャックに指すことで固有のIDを認識。そのIDに合わせてクラウド上の音楽や動画をアプリ上にダウンロードしたり、ストリーミング再生したりできるというものになる。アプリへのプッシュ通知にも対応しており、定期的なコンテンツ配信も実現するという。端末には電池を搭載しておらず、スマートフォンから発せられる音波を電力に変えることで給電している。

「IDのない世界」目指す

今回の調達について語ってくれたBeatrobo CEOの浅枝大志氏の発言の中で心に残ったのは、PlugAirが「ID、パスワードの概念を取り払う」という考えのもとに作られたサービスだということだった。

実はPlugAirには、「親」と「子」の関係も設定できる。つまり最初にアクティブにした端末を「親」、それ以外を「子」とすることで、PlugAirの持ち主(親)にはフルアルバムの音楽ファイルを、その友人(子)には再生期間や楽曲数を制限した試聴版の音楽ファイルをそれぞれ提供するといったこともできるのだという。

このような形でIDやパスワードを入力せずともユーザーを特定できる仕組みを作りたいと浅枝氏は語ってくれた。「友人にPlugAirを紹介して、その場で手渡して使うときに、(IDなどを取得、入力せさる必要のない)手軽な価値を提供する」(浅枝氏)。


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TechCrunch Japan

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