今年のBitcoinは散々な投資だったが、だからといってこれを受け入れる非営利団体は増える一方だ。Wikipedia、電子フロンティア財団、Khan Academy、ついにはBurning Manまでが、税控除寄付の手段としてBitcoinを採用している。
これで実際のフェスティバルへのゴールデンチケットがもらえるわけではないが、何の見返りも期待せずに何かを贈ることは、ネバダ砂漠で行われる毎年恒例のフェスティバルに宿る精神とカルチャーの一つだ。事実、Burning Manの十大原則の最初に挙げられている。
Burning Manは贈与行為に専心する。贈与の価値は無条件である。贈与は見返りや等価な物との交換を期待しない。
フェスティバルの準備や支給品には多額の金銭が費されるが、ブラックロック・シティの中では、メインテントで氷やコーヒーを買う時以外、実際のお金がやり取りされることはない。そこでは、ベガンアイスクリームから「特殊」マッサージまで、あらゆる物を無料で提供される。衣類でさえ寄贈される。ただし、新たなBitcoinの選択肢はフェスティバル以外の年中活動の資金として使われる。
いくつかの事情から、Burning Man the 501(c)3公益団体、およびBlack Rock City有限責任会社が存在している。実際のフェスティバル開催費用はチケット販売で賄われており、そこが営利部分だ。暗号化通貨による寄付は、Burning Manの非営利部門を助けて、「組織力」を高め、コミュニティーのプロジェクトを支援するほか、おそらくあの巨大なアートプロジェクトをプラーヤ(塩の平原)の中央まで運ぶ費用になっているに違いない。
CEOのMarian Goodellは会社の声明の中で、いずれBitcoinでチケッチを購入できるようにする可能性があると言っている。「Bitcoinによる寄付の受付は実験的第一歩として行っている。われわれは将来他の可能性も探求するつもりであり、Bitcoinによるチケット購入も視野に入れている」と彼女は言った。
Bitcoin用デジタル支払いシステムのCoinbaseがBurning Manと連携したことによって、寄付は容易になった。しかも、取引手数料なしで贈ることができる。このスタートアップはNGOからは手数料を徴収しない。RedditやWikimedia(Wikipediaの非営利部門)等他のオンラインサイトも、同じ目的でCoinbaseを使用している。
ロシアのバーニングマンたちは、Bitcoinを持ち続けていたいかもしれないが、暗号化通貨による寄付は、米国の人々にとっては賢い選択肢になるかもしれない。もし今年あなたのBitcoin価値が〈実際〉に上昇していればだが。Bitcoinは2014年の初めに1000ドル前後の水準を維持していたが、今日時点では318ドルまで下がっている。
上にも書いたように、Bitcoinによる寄付は税控除対象だ。政府は今春、Bitcoinを財産の一種と見なす声明を発行した。これによって、かつてキャピタルゲイン税の対象であったものを自由譲渡できるようになった。
このことは、慈善団体によるBitcoin採用を加速させる結果にもなった。米国最大の慈善団体で42.7億ドルの収益を持つUnited Wayも、9月にBitcoinの採用を決めた。
UNICEFは、カナダでは受付けているが(当地でも税控除)、米国では未採用だ(数年来要望している個人が何人かいる)。Crowdrise等のクラウドファンディング慈善サイトが、Bitcoinの採用が遅れている組織を手助けしている。
これはBitcoinが国際的に認められる前兆なのか、それともBurnig Manプロジエクトへの寄付を誘うための単なる策略なのか? たぶん両方が少しずつだろう。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)