BitTorrentは、海賊行為に関連付けるのをやめてほしいと真剣に考えている

おそらくみなさんは、いかにGame of ThronesがBitTorrentで人気かという記事を読んだことがあるだろう ― そして少なくとも一つの記事はこの番組を「BitTorrentの永遠の王」と呼んでいる。どうやら同じ名前のオープンソースのファイル共有プロトコルを開発しているBitTorrentは、こうした記事にうんざりしているようだ。

つい最近公開されたブログ記事で同社のマーケティング担当副社長、Matt Mason(写真)は、BitTorrentの海族行為記録を語ることは正確ではない、なぜなら「海賊行為はBitTorrentエコシステムの外で起きているから」だと言った。

われわれは侵害コンテンツをホストしていない。リンクも貼っていない。「BitTorrentで何かを不法にダウンロード」することは事実上不可能である。海賊行為を行うためにはプロトコルだけでは足りない。検索、海賊コンテンツサイト、およびコンテンツマネージャーが必要だ。われわれは、そのいずれも提供していない。もし海賊行為のためにBitTorrentを使っているなら、それは間違いだ。

世間で「記録」と呼ばれているものは、BitTorrent, Inc.とは何の関係もない海賊ウェブサイトの数字に基づいていると思われる。もし、海賊サイトのデータを裏付けに使っているのなら、それは「インターネット海賊記録」だ。「BitTorrent海賊記録」ではない。

同社の広報担当、Christian Averillに、会社としてはBitTorrentというテクノロジーとBitTorrentという会社を区別させたいだけなのかと尋ねた。彼いわく、それだけではない。

海賊行為自体はプロトコルの外で起きている。われわれのテクノロジーは、海賊行為に使われているテクノロジー群の一部として利用されている。BitTorrentでDVDのリッピングはできない。BitTorrentがホストしている不法コンテンツはない。海賊コンテンツはBitTorrentで宣伝されていない。

なぜこの会社はこんなにいら立っているのか。おそらく、同社がアーティストやレーベル、その他コンテンツ会社と合法的なプロモーションにく取り組んでいて、いずれ収益化を目指しているからだろう(先月本誌は、同社がBitTorrent Bundleを通じてこれらの取り組みを「製品化」しようとしていることを報じた)。社名が頻繁に海賊と関連づけられることは、交渉にあたって有難いことではない。

それを踏まえMasonは、海賊行為記録を打ち立ちたとされる番組はGame of Thronesのシーズン初回で、世界中で520万人がダウンロードしたと指摘した(実際にはMasonは最終回と言ったが、初回のつもりだったと私は確信している)。しかし、Epic Meal Timeは、BitTorrentがBundleとして合法的に共有している番組で、862万6987回ダウンロードされておりこれこそが真のBitTorrentの王だと言った。

とはいえ、海賊行為とBitTorrentの関係に対する人々の考え方を変えるには、まだまだかなり険しい道が待っているいると私は思っている。

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(翻訳:Nob Takahashi)


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TechCrunch Japan

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