私はかなり忍耐強い人間だが、その私を〈一瞬〉にして激怒させるものが一つある。車で遠く家を離れたところで大切な物を入れ忘れたことに気付いた時だ。あれは敗北感と言える。間違いに気付いた時すでに遅れそうになっていたら、また汚い言葉を口にしてしまう。
Bringrrは、私のような人のためのガジェットだ。車のシガーライターの口に差しておくと(充電もできる)、何を荷物に入れたかを静かに見守っていてくれる。もし何かが足りないことに気付けば、〈今〉それを知らせてくれる。10マイル走った後ではなく。
実はBringrrが最初に発売されたのは2010年のことで、一つの物 ― 携帯電話 ― を忘れないための製品だった。車のエンジンをかけた時、携帯電話がBluetoothの範囲にないことにBringrrが気付くと、ランプとアラームで知らせる。
しかし、電話はまだ簡単な方だ。今や多くの人々は携帯と〈共に〉暮らしているので、ポケットの中か手に持っているか充電中のいずれかの状態にある。それ以外の物 ― ピーピー雑音を出し続けない物 ― こそが難しい。財布、カメラ、今日の打ち合わせに必要なファイル等は、渋滞を目の見にした〈その時〉に思い出す品々だ。
そんな物すべてのために、Bringrrはオブジェクトタグ・システムを導入した。Tileとよく似たしくみだ。携帯電話に加えて、彼らが”BringTags” と呼ぶ小さなBluetooth LEタグシールを付けた物なら何でも見張っていてくれる。スマホと財布とバックパックとノートPCを忘れたくなければ、Bringrrとスマホをペアリングし、財布とバックパックにタグをぶらさげ、ノートPCのフタにタグを貼ればよい。次回このうちどれかを持たずに車に乗ると、シガーライター充電器が鳴って教えてくれる。
もちろん中には、毎日は必要としないものもある。仕事用のノートPCは週末には持ち歩きたくないかもしれない。大丈夫。設定アプリで、どのデバイスがどの曜日に必要かを充電器に教えておける。
車の外でも、Bringrrはあなたの物忘れを助けてくれる。それぞれのタグが近くにあるかどうか確かめられるので、失くした鍵を三角測量で見つけられる。それでも見つからない時は? 緊急パニックボタンを使えば、タグが音を立てて鳴り響く。すべては上に書いた Tile と非常によく似ているが、車のエンジンをかけた瞬間に探すところが気の効いた工夫だ。
私の忘れ物(即ち怒り)を減らしてくれるコンセプトは何であれ大好きだが、一つ欠点がある。タグを付けようと思う物ほど、忘れにくい物だということだ。つまり、最も忘れやすいのは、われわれが毎日は持ち歩かないもの(重要な仕事のファイルフォルダー等)なので、あらゆる物についてタグシールを貼ったり剥がしたりしない限り、偶発事故は防げないだろう。
Bringrrは、Kickstarterで7万5000ドルの資金調達を目標にしており、21日を残してあと少しで半分に到達するところだ。チャージャーだけなら39ドル、タグを含むキットは49ドルから。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)