クレジットカードぐらいの大きさのコンピュータが必要な人には、これで決まりだ。定価9ドルのシングルボードコンピュータCHIPは、Linuxを搭載し、コンピュータにできることは何でもできる。…Quakeをプレイすることも。
このボードにはWi-FiとBluetoothがあり、オプションで、VGAやHDMIで大型モニタにも接続できる。プロセッサのスピードは1GHz、RAM 512Mb、ストレージ4Gbだ。Debianの軽量バージョンをインストールできるし、タッチスクリーンとキーボードを備えたPocketCHIPというものも使える。こちらは初期のGame Boyぐらいの大きさだ。
なぜこんなものを? そう、まず、なんと言ってもかわいい。コンピュータ本体は9ドル、VGAやHDMIが必要ならアダプタで10〜15ドル増しだ。これだけでも、すごい。Raspberry Piと同じく、まさに、メディアはメッセージだ。これだけ小さくて安いコンピュータがあるなら、誰もがコンピュータの新しい使い方を考えだすことができる。そのために最初から、いくつかのオプションハードウェアが提供されている。背中におんぶした子どもにゲームをプレイさせられるし、超小型コンピュータとしていろんな拡張が考えられる。
CHIPはKickstarterで目標額の5万ドルをとっくに突破し、今や30万ドルに迫る勢いだ(日本時間5/9 09:00)。発売は1年後で、ハードウェアアクセラレータのHaxlr8rが支えているから、製造能力もしっかりある。Raspberry Pi 2でこんなものを作ってもよいけど、CHIPならウェアラブルやそのほかの応用マイクロデバイスの実験を、すぐに開始できる。数年後に大ブームになると言われるIoTの敷居をぐーんと下げ、その裾野を大きく広げたと言えるだろう。いずれにしても、この、誰でも欲しくなりそうなおちびさんを使って、これからホビイストたちがどんなことをするか、そっちの方も楽しみだ。