メモリアルデーの祝日には最新テクノロジーを試すしかないとばかりに、私はBitcoinをいくらか購入した。午後にはDotsをプレイし、もしかしたら3Dプリンターで耳を作っているかもしれない。
私がBitcoinを .1(13.17ドル)買ったのは、それがCoinbaseというスタートアップであり、この会社がTechCrunch編集者でBitcoinマニアのJohn Biggs言うところの「怪しくなさそうなところ」だったからだ。「これはおふくろにも薦められるものの一つ」とBiggsは強調する。実際、もし母親が銀行口座をFidelityやCharles Schwabのアカウントにリンクして投資信託を買う方法を知っていれば、Coinbaseを通じてBitcoinを買うのも同じようなものだ。口座情報を入力していくつかの取引を承認すれば、ママもSilk Road[アングラ売買サイトの一つ]に一歩近づく。
Bitcoinのウォレット、両替サービス、および支払いシステムとして、Coinbaseは最も「合法」でユーザーフレンドリーなBitcoinスタートアップの一つであり、Twitterの投資家、Fred WilsonらからBitcoinスタートアップで過去最大の500万ドルを調達していることによって、そのポジションを確固たるものにしている。Wilsonは投資すべき製品と計画を持つBitcoinスタートアップを見つけるまでに2年以上を費した。そしてCoinbaseのファウンダーらは実に由緒ある血統の持ち主だ。Brian ArmstrongとFred Ehrsamは、それぞれAirbnbとGoldman Sachsに在籍した経験をもつ。
投資家の関心だけでなく、このスタートアップは一定の牽引力を見せつつある。1月に同社はBitcoin-米ドルの両替サービスをスタートし、100万ドル相当のBitcoinが入出金された。2月にはそれが250万ドルになり、4月は1500万ドルだった。数字はBitcoinの交換レート上昇に伴い必然的に増加する。Armstrongは、同社の手数料を全取引の1%に設定し、取引高、売上、ユーザーの新規登録は毎週15%の早さで伸びている。「CoinbaseはBitcoinで最も信頼のおける消費者ブランドになりつつある」と投資家のBobby Goodlatteは私に言った。
あらゆる抽象的通貨は ― 金であれ不換紙幣であれKloutであれ ― 、内在的価値を持つ資源であり通貨と交換することが可能だ。世の中の多くの物と同じく、通貨は裸の王様に似ている。サンフランシスコでスターバックス・ラテに3.5ドルの価値があると全員が信じている限り、それが続く。今このトリックは、人々にそれが 0.03BTCの価値でもあることも納得させようとしている。
いつそれが起きるかに関して、まだ審判は下されていない。人々はランダムな数字の列を信じなくなるのか? BitcoinはRippleがFacebookならFriendsterになるのか?時価総額20億ドルの通貨の交換から1%の手数料を取るビジネスがどこまで大きくなるのか?
そして忘れてならないのが、いつパロアルトのCoupa CafeでBitcoffeeが簡単に買えるようになるのかだ。今日Coupaに電話したところ、最初に出た人物は何も知らなかった。Coinbaseを使ってCoupaのウォレットに「送金」する必要があるらしい。CoinbaseのiOSアプリ経由ではそれができない。
Bitcoin Revolutionの著者、Max WrightはBitcoinが本流になると予想している。即ち、今後2~3年で殆どのニッチ市場において複数の会社がBitcoinによる支払いを受け入れるようになるという。なるほど。「Bitcoinの伝統的銀行や信用システムに対する優位性は否定できない。Bitcoinの取引コストはゼロであり、これは既存のクレジットカードやオンライン支払い方式が取引毎に2~5%の手数料をとっているのと比べると厖大な利点だ」
Andreessen Horowitzのパートナーで OpenCoinの投資家、Chris Dixonは、TechCrunch Disrupt NYでデジタル通貨を「レッドピル」と呼んだが、 Bitcoin普及の正確な時期に関しては慎重だ。「この手のことは驚くほど予測が難しい。Bitcoinは完全消滅するかもしれない。本流になるかどうかは、技術者や起業家がBitcoinを使いやすく、統合しやすく、信頼性を高く、信用を高くする等々のインフラを作れるかどうかにかかっている。これは、バックエンド技術および、対消費者の販売サービス両方を意味している。私の予想を言えば、それは起き始めている」
給料をBitcoinで払っているAmrstrongは、懐疑派に対してこう語る。「われわれが思うに、重要なのは手数料を下げること。低い手数料は消費者のポケットに入るお金が増えることを意味し、それはスモールビジネスのポケットにも多くのお金が入ることを意味している」
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(翻訳:Nob Takahashi)