著名なiPhoneハッカー出身で起業家であるGeorge Hotz(通称geohot)は、自身が設立した自律走行車のスタートアップの最初の製品であるComma One aftermarket add-onの販売を取り下げた。この製品は特定の市販車に対し、高速道路での自律走行的なアシスタント機能を後付けで付与するものだ。
HotzがComma.aiの公式Twitterアカウントで発表したところでは、今回の中止決定は米国運輸省(NHTSA)からの手紙を受けてのものだ。NHTSAからの手紙の内容は、その米国内での交通安全を確保する責務に基づき、Comma Oneが一般向けに販売可能になるのに先立って、その製品が種々の規制に準拠していることを確認する必要があるということを説明するものだった。
そして、NHTSAはComma.aiに対して「特別命令」を発し、同社がComma Oneに関しての15の質問に詳細に答えるように求めた。その質問とは、その製品のデザイン、テストの方法と安全性試験に関する情報、対象となる車種と販売に至るまでの予想されるスケジュールに関してだった。これらの質問は、たとえ使用条件が限定されるにしても、運転手から運転を引き継ぐことを目的とした装置を販売することを考えれば、至極真っ当な要件事項に思われる。
HotzがComma.aiの公式アカウントからツイートしたところでは、同社は要求された質問に答える代わりに、Comma Oneの販売を完全に中止し、今後「他の製品とマーケットに」軸足を移して行くという。Hotzによれば、その理由とは、「規制当局と弁護士に対処するような生活など、その価値もない」ということだ。Hotzが記しているように、彼は中国の深圳からツイートしており、彼はそこでComma Oneの製造に何らかの関わりのある仕事を行なっていた可能性もある。
Comma Oneが最初にお披露目になったのは先の9月に開催されたTechCrunch Disrupt SFのイベントで、そこでHotzは製品のプレゼンを行い最初の顧客に対しては今年度末までに製品を出荷すると発表した。そのステージで私はHotzに安全性と製品に対する懸念について尋ねたが、彼はComma Oneについてはこれまでの既存のテクノロジーが提供していないことは何もしていないとして、自らの製品に対する自信を表明した。
[原文へ]
(翻訳:Tsubouchi)