老舗のcomScoreに対抗して、今のマルチデバイスの時代に対応したインターネットのアクセス分析/ユーザ分析を提供するVerto Analyticsが、そのサービスを今日(米国時間5/15)から一般公開する。Verto Content Watchと呼ばれるその測定サービスは、スマートフォンやタブレット、PC、eリーダーなどさまざまなプラットホーム上のアプリ、ゲーム、Webサイト、そして広告などの利用状況を、詳細に調べる。
ヘルシンキとニューヨークとサンフランシスコにオフィスのあるVerto Analyticsは三年前に、メディア測定業界で長年の経験のある人たちが集まって創業された。これまではConor Venture PartnersとOpen Ocean Capitalから800万ドルの外部資金を調達しており、今日は有名企業の顧客としてYahoo、Cisco、EA、Johnson & Johnsonなどの名前が紹介された。
Ventoはさまざまなパネルを構築し、消費者たちに“メーター”アプリをインストールしてもらうことにより、データを集める。またモバイルアプリの利用状況を知るために、消費者向けアプリから直接、データを収集する。
今では一人の消費者の各種デバイスから一日あたり3000あまりのデータポイントを収集し、毎月合計5億近いデバイスからのデータを取り込んでいる。それらをもとに、ユーザであるパブリッシャーや広告主に対しては、一日あたり100件以上の測値が提供される。ユーザはそれらを、Webアプリケーションvs.モバイルアプリ、各カテゴリ別、ユーザ特性別(性、年齢、地域等)、市場別、行動パターン別などに分類して分析できる。その結果をユーザ企業は、製品開発や、マーケティング、オーディエンス開拓などに活用するのだ。
データはすべてWeb上のダッシュボードから提供され、ユーザは自分が必要とする測度を簡単にマウスクリックで指定できる。
Verto AnalyticsのCEO Hannu Verkasaloは、データはうちの方が正しい、なぜならcomScoreはPCとWebサイトしか調べないからだ、と主張する。Vertoは、モバイルデバイスとその上のアプリも重視している。“Yahooなどは長年、comScoreに苦汁を飲まされてきた。報告される数字が、‘こんなに低いはずはない’と思うぐらい、いつも低いからだ。その主な原因は、comScoreがモバイルをカバーしていないためだ”、とVerkasaloは述べる。
そのモバイルアプリの方面では、最近App Annieなどのコンペティタたちがアプリのユーザデータにまで手を出してきた。しかしVerkasaloによると、彼らはアプリストアやいろんなSDKからデータを取ってくるだけで、Vertoのように消費者パネルの設営はやっていない。
同社のContent Watchサービスによって顧客企業は初めて、デスクトップに限定されない全体的なオーディエンス数を知ることになる。この新サービスは5か月のベータ期間を終えて、これから一般公開される。そのSaaSの利用料金は年額5万〜15万ドル、標準セット以外の特殊なデータも求める場合は、年額500万〜1000万ドルとなる。