2017年にクラウドサービスを開始したConfluent(コンフルーエント)は、Kafkaストリーミングデータアプリケーションの実行に伴う複雑さの軽減を目指していた。米国時間9月30日、同社はそのクラウドサービスに無料利用枠を導入した。同社は、大規模なテクノロジー企業顧客を超えて、市場を拡大したいと考えている。この無料利用枠によって小規模企業でも簡単に始められるようになる。
新しいプランは最大3カ月間、1カ月に最大50ドルのサービスを提供するというもの。同社のCEOであるJay Kreps(ジェイ・クレプス)氏によれば50ドルというのはそれほど十分な量とは思えないかもしれないが、実際には数百GBのスループットに相当するもので、同社のツールを始めやすくするものだと言う。
「私たちはこのテクノロジーを本当に使いやすくできると考えています。できるだけ簡単なものにすることができます。私たちはただ、すぐに始めることができて、リアルタムデータストリームを使うアプリケーションの構築を無償で始めることができるようにしたいのです」とクレプス氏は語る。
Kafkaは、2011年以降オープンソース製品として提供されている。このため、ダウンロードしてインストールし、アプリケーションを開発することは、これまでも無償だった。しかしそれを実行するには、莫大な計算ならびに技術リソースが必要である。同社のクラウドサービスはそれを簡素化するように設計されていて、今回の無料利用枠により開発者は大規模な投資をせずに、快適に小さなアプリケーションを構築することができる。
無料版を使ってKafkaでの作業に慣れたら、ユーザーは自分にとって意味のあるオプションを購入し、使用した分だけの支払いを行うことができる。顧客の個々の要件に応じて、Kafkaの価値をあまり引き出せないかもしれないし、数百ドルに相当する価値を引き出せるかもしれない。「無料期間が終わったら、11セントぶんのKafkaを買ったり、10ドル分の必要量を買ったり、もしくはConfluent Cloudを配車サービスの一部に利用しているLyftのような大規模ユーザーになることもできます」と彼は言う。
無料のSaaSトライアルは一般的なマーケティング手法のように思えるかも知れないが、クレプス氏は、Kafkaのようなサービスでそれを実現することは遥かに難しいのだと言う。「インフラストラクチャのチャンク全体を割り当てる、分散システムのようなものを使っている場合には、ゼロから柔軟にスケールアップしていく機能を提供することは、技術的に非常に難しいことなのです。そして、それを可能にするために膨大な量のエンジニアリングが注ぎ込まれます」と、クレプス氏は説明した。
Kafkaは、大量のデータストリームをリアルタイムで処理する。もともとはLinkedIn内で開発され、2011年にオープンソース化された。Confluentは、2014年にオープンソースプロジェクト上の商用組織として立ち上げられた。1月には、同社は25億ドル(約2710億円)の評価額で1億2500万ドル(約135億円)を調達した。Crunchbaseのデータによれば、これまでに2億500万ドル(約222億円)以上を調達している。
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(翻訳:sako)