CRISPRの先駆者、ジェニファー・ダウドナ氏がDisrupt 2020に登場

Jennifer Doudna(ジェニファー・ダウドナ)氏は合成生物学の分野で大革新を引き起こした人物である。同氏の発見によって世界中の研究者が生物界をプログラムし、再プログラムできるようになったのだ。9月に開催されるDisrupt 2020では、そんな同氏から話を聞けることとなった。

カリフォルニア大学バークレー校の化学、分子、細胞生物学部門の教授、グラッドストーン研究所の主任研究員、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の教授として、ダウドナ氏は遺伝子編集技術研究、CRISPRの最前線に立っている。

ダウドナ氏とEmmanuelle Charpentier(エマニュエル・シャルパンティエ)氏が、微生物の免疫応答を誘導するCRISPR-Cas9酵素を使用してゲノムを編集できると最初に発表したのは、わずか8年前のことだ。この発見は、生物学に対する人間の認識の歴史において最も重要な進歩の1つであることが判明し、またこの発見は世界を劇的に変化させる潜在性を持っている。

ダウドナ氏は、James Watson(ジェームズ・ワトソン)氏の本『二重らせん』をハワイの自宅にある父親の本棚で発見したことから、彼女自身の生化学分野への道のりが始まったと説明している。文学教授の娘としてハワイで育った幼少期時代からダウドナ氏は科学のキャリアを追求したいと考えていた。しかし同氏が科学の人間的側面に目を向けたのは、ワトソン氏の有名な本を読んでからのことだ。

同氏の科学的研究とスタートアップでの取り組みは今、この革新的な科学分野の将来性に人類を開眼させる可能性をもたらしている。なぜならダウドナ氏は自身の研究活動に加えて、Mammoth Biosciences(マンモス・バイオサイエンス)、Caribou Biosciences(カリブー・バイオサイエンス)、Intellia Therapeutics(インテリア・セラピューティクス)、Editas Medicine(エディタス・メディシン)など、数多くの企業の共同創設者となっているからだ。

これらの企業は世界が直面している最大の課題のいくつかに取り組んでいる。Mammoth Biosciencesは新型コロナウイルス(COVID-19)における新しいテスト方法の開発ぶに取り組んでおり、Caribou Biosciencesは新しい癌治療を追求。また上場企業のEditas Medicineは眼球、神経変性疾患、血液疾患、癌などに対する治療の研究に取り組んでいる。

遺伝子編集が何らかの影響を与えていない業界は今やほとんどないだろう。材料科学から食品科学、農業から医学まで、CRISPRテクノロジーは全産業を再構築する機会を生み出しているのだ。

Solugen(ソルジェン)のバイオベースの化学物質に使用されている、遺伝子組み換えの有機体によりImpossible Foods(インポッシブル・フーズ)の代替肉の味が肉らしい味になった。また、CRISPR編集済み細胞は、特定の種類の癌を治療するための初期試験で安全であることが証明されている

有用性の幅広さと、研究者がテクノロジーにどのような制限を課すべきかという問題が渦巻く中、ダウドナ氏がDisruptのステージで話すべきことはたっぷりとあるだろう。最近同氏によって発表された、唾液ベースの高速COVID-19テストを用いた大学キャンパスの安全性の向上に関してなど、さまざまな事について話を聞けるに違いない。

Disrupt 2020はすべてバーチャルな形で米国時間9月14日から18日まで開催される。アクションへの参加やバーチャル出展が可能な数種類のDigital Passをご用意している。詳しくはこちらから見ていただきたい。

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(翻訳:Dragonfly)

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TechCrunch Japan

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