Android OSの‘勝手に改良版’CyanogenModが、今や二頭レースになっているスマートフォンプラットホームの市場に割り込んできて、しかも先日のBenchmark Capitalによる700万ドルのラウンドに続いて早くも、Andreessen Horowitzが率いる2300万ドルの投資資金を獲得した。
この人気者の代替Android ROMを作っているCyanogen Mod社は、遊びで始めたプロジェクトを、“モバイルOSを消費者に直接届ける”という新しいビジネスのパイオニアに変身させた。
標準のAndroidに不満を抱く消費者は、自分のデバイスをフラッシュしてCyanogen Modのソフトウェアを導入する。そのAndroid代替実装系CyanogenModは、強化されたセキュリティや、個人化機能、スピードの向上などを誇っている。これまでマーケティング努力はほとんどしていないが、Cyanogen Modをインストールしたユーザは世界中にほぼ1000万人存在する。
同社はデバイスのフラッシュをとても簡単にできるCyanogenModのインストーラを作ったが、GoogleはそれをGoogle Playのストアから、ほぼ30万回ダウンロードされた時点で削除した。
Samsungを辞めてCyanogen Mod社を立ち上げたデベロッパSteve Kondikによると、そのインストーラは来年中にはストアに復帰するはず、という。下(お)ろされた理由が、消費者への説明が不十分なので危険、というものだったからだ。
Kondikによると、今回の資金で“技術者やデザイナーやプロマネ用の人材をどっさり雇える”、ということだ。前回の資金調達からあまり間をおかずに新たな投資ラウンドに飛びついたのも、会社としての陣容の充実が急務だったからだ。
Andreessen Horowitzは、この前のラウンドをパスし、その後、心変わりしたのだ。
“プラットホームビジネスに賭けてくれる投資家を見つけるのは難しい。みんな、アプリケーションの方を向いているからね”、とCEOのKirt McMasterは言う。“うちはアプリケーションではないが、将来性の大きいモバイルプラットホームだ”。
BenchmarkとAndreessen HorowitzがCyanogenModに賭けたのも、これから西欧や中国の市場でモバイルデバイスの差別化競争が激化する、とにらんでいるからだ。プラットホームとしてのOSも、差別化の重要な武器になる。とくに中国ではすでに、Androidのアプリストアが複数あり、Android OSのフレーバーも複数の実装系がしのぎをけずっている。たとえば年商100億ドルの超大手Xiaomiは、Cyanogenをベースに独自のカスタムROM miUIを作った。
AHのゼネラルパートナーPeter Levineは、今回のラウンドを発表するブログ記事にこう書いている: “CyanogenModには世界最大のモバイルオペレーティングシステムになりうる機会がある”。
そうなればCyanogenは、付加価値サービスの売上や大手ハードウェアメーカーとのパートナーシップにより、巨大企業に変身していることだろう。
[画像: Flickr/Johan Larsson]
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))