Dash Roboticsが、クラウドファンディングを利用して、ロボット愛好家のためのプロダクトを世に出そうとしている。素材、デザイン、および製造過程に工夫を凝らし、最先端の技術を安価で提供しようとするものだ。このロボットはスマートフォンでコントロールでき、虫のように駆けまわる。発送時はごく薄いパッケージにおさめられ、購入者が「オリガミ」風に組み立てるようになっている。
このDashはバークレーで博士課程に学ぶNick Kohut、Paul Birkmeyer、Andrew Gillies、およびKevin Petersonの手になるものだ。彼らはMillisystems Labにて小型ロボットの研究を行った。そして実験のためのプロトタイプモデルを、迅速かつ安価に組み上げる手法を編み出したのだった。そしてできたモデルを人に見せてみると、多くの人が心の底から驚き(どのようなものなのかは、下に掲載したビデオを見てみて欲しい)、満々の購入意欲を示したそうだ。
「Dashはなかなか魅力的に仕上がっているようです。子供たちに渡すと、親が引き離すまで何時間も遊んでいるのです」とKohutは言う。商品の完成度だけでなく、他にも欲しがられる理由があると主張する。「Dashは非常な低価格で提供されます。『安価』なロボットといえば、150ドル程度のものを指すことが多いようです。しかしDashの価格はキット価格で65ドルしかしないのです。従来の『安価』の半値以下です。製造工程を工夫したこともあり、安価な素材を活用することができるようになっているのです。また実際の動物の形状を取り入れることで、安価でありながらも、自然に学んだ最適パフォーマンスを実現することもできたわけです。
Dashは、一番安価なアルファタイプが、キット価格で40ドルで提供される(真っ直ぐ走る程度で、他に大した機能はない)。操縦可能で拡張性をもたせたベータタイプが65ドル、そしてファウンダーによって組み立てを行ったモデルが100ドルとなっている。KohutによるといずれもArduino互換で、ソフトウェア的に改造ができる(hackable)ようになっているとのこと。すなわちDashにやらせることの限界は、購入者のイマジネーションに依存しているということだ。ロボットは秒速5フィートで走り、また一度の充電で1マイル以上を走行することができる。
Dash Roboticsは、この昆虫型ロボットに続いて他にもさまざまなタイプを出していくつもりなのだそうだ。アクセサリー類も含めて、幅広い主力製品群を用意したいとKohutは述べている。
「博士課程での研究途上で、ロボットに羽や尻尾、あるいはヤモリ風の足を装着したりしてきました」と、Kohutは言う。「たとえばDashにヤモリ風の足をつけることができたら、それも非常にクールだと思うのです。走り回るだけでなく、壁も登れるようになるわけです。また、ロボット同士が会話できるような機能も登載したいと考えています。これにより、ロボットが集団行動をするなどの可能性が広がってくるでしょう。レースをしたり戦わせたり等、協力して何かをやらせることも、あるいは競わせることもできるようになるわけです」。
長期的には、「趣味」のレベルに留まらない発展も考えているようだ。小さくて軽く、そしてさまざまな足場に対応しつつコストをおさえることができれば、たとえばレスキュー用途などにも使えるようになるとKohutは考えているそうだ。1000体ものDashロボットが群れをなして、倒壊したビルを動きまわり、呼吸により排出される二酸化炭素を検知することにより、被災者を見つけ出すなどということができるようになるのかもしれない。あるいは地雷除去なども用途として考えられそうだ。
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Dash Roboticsは、自らをAdafruitなどの属する、メーカーコミュニティーの一員として位置づけている。今回Dashが利用しているクラウドファンディングのための仕組みであるDragon Innovationもその一画を担うものであるとのこと。メーカーおよび、そのメーカーによるプロジェクトを専門的に対象とするクラウドファンディングサービスを提供している。尚Dashは、製品を大規模生産にもっていくべく、従来風の投資にも関心をもっているとのこと。また、UC Berkeley発のハードウェアアクセラレーターであるThe Foundry @ CITRISの支援も受けている。
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(翻訳:Maeda, H)