Disrupt 2020でVCの現状について語られる必見のセッション

表面的には、ベンチャーキャピタルの世界は年ごとに大きく変わることはなさそうだ。しかし実際には、業界は非常に流動的であり、多くの企業が多様性の欠如と向き合い、後継者問題に対処し、古くなった投資先企業が増加し続ける状況に直面している。これらは現在見られる問題のほんの数例だ。

事実、この業界で最も大きな変化の一つであり、何年も前に顕われて終わりが見えないものが、細分化である。かつてはクラブのような業界であったが、今日では世界中で日々、本物のドルに支えられた新たなプレイヤーが出現している。

Disrupt 2020でお迎えするのは、自分たちのキャリアの多くを強力な会社で過ごしてきた3人のベンチャー投資家であり、つい最近、独自のブランドを構築するために大胆にも独立したプレイヤーたちだ。彼らと議論できることは本当に楽しみである。

彼らの助けを借りて、業界を揺るがしている現在の動向について掘り下げていく。

Lo Toney(ロー・トニー)氏は、Cake FinancialでVP、Zyngaでゼネラルマネージャー、オンラインコーディングのスタートアップでCEOを歴任したのち、ベンチャーキャピタルの世界に飛び込んだ。最初はComcast Venturesで、後にGVでパートナーとして数年間活動した。

影響力のあるAlphabetのベンチャー部門にとどまる気持ちがあったかもしれないが、彼はその道を取らなかった。将来性のある多様なファンドマネージャーやスタートアップを見つけて資金調達することにますます重点を置いていたGVでの仕事を自分自身でやることにしたのだ。現在、Plexo CapitalはAlphabetを最大の資金提供者に数えているだけでなく、約20以上のファンドと多くのスタートアップに出資している。そのほとんどが有色人種によって運営されているため、トニー氏はまた、多様性を競争上の優位性と認識している人たちにとっても重要な存在となっている。

Renata Quintini(レナータ・クィンティーニ)氏は、共同創設者のRoseanne Wincek(ロザンヌ・ウィンセク)氏と共に、昨年静かに新会社Renegade Partnersを設立した。ウィンセク氏は以前、ベンチャー企業大手IVPで働いていた。クインティーニ氏も同様に、評価の高い機関において多くの投資担当の役割を担ってきた。Stanford Management CompanyでVCとプライベートエクイティ投資に特化した投資マネージャーを務めたほか、Felicis Venturesでゼネラルパートナーとして従事し、衛星企業のPlanet、自動運転スタートアップのCruise Automation(現在はGMが所有)、Dollar Shave Club(ユニリーバに売却)、Bonobos(ウォルマートが買収)などの数々の新星たちと仕事をしてきた。

事実、Lux Capitalがクインティーニ氏を引き抜いたのも驚きではなかった。しかし、クインティーニ氏と渡り合える深い科学の専門知識を誇りにするLuxでさえ、自分だけのものを作るために去ろうとする彼女をとどまらせることはできなかった。

Dayna Grayson(ダイナ・グレイソン)氏も、同じような来歴を持つ。システムエンジニアリングを学び、プロダクトデザインの仕事をしてからベンチャーキャピタルの世界に入った。ボストンに拠点を置くNorthbridge Venture Partnersのプリンシパルを務めた後、ベンチャーの巨人NEAのパートナーとなった。

ワシントンD.C.に拠点を置く同社にて、金属3Dプリンティング企業のDesktop Metal(5年前に設立された企業で、順調に行けば間もなく株式公開され、数十億ドルの価値を持つ企業)の買収など数多くの取引を主導してきた。

グレイソン氏はそこで長く活躍できただろう。しかし彼女は、NEAにおける8年近くのキャリアを終えて、昨年末、アーリーステージのベンチャー企業Construct CapitalをUberの最初の社員であったRachel Holt(レイチェル・ホルト)氏と共同設立した。

どのように大手企業と競争しているのか、コロナ後の世界におけるスタートアップについてどう考えているのか、ベンチャーキャピタルは損失を出す事業投資に偏り始めているのかどうか、あるいは逆に、そのオポチュニティが今も無限にあるのかどうかなど、起業家的な投資家である彼らと多くのことを語り合いたい。SPAC、ローリングファンド、またダイレクトリスティングの最近の展開についても言及されるだろう。

VCの現状を論じるこの非常にタイムリーな会談を見逃す手はない。

Disrupt 2020は日本時間9月15日〜19日まで開催され、今年は100%バーチャルで行われる。Digital Pro PassまたはDigital Startup Alley Exhibitor Packageを購入して、グレイソン氏、クインティーニ氏 、トニー氏が登壇するライブ会談を最前列で視聴しよう。皆さんの参加を心待ちにしている。

他の登壇者の情報など、イベント詳細は以下の特設ページで確認できる。なお、同ページを経由してチケットを購入すると、5%割引が適用されるので活用してほしい。セッションの視聴など機能を限定した45ドルの格安チケットも販売中だ。

Disrupt 2020特設ページへ

[原文へ]

(翻訳:Dragonfly)

投稿者:

TechCrunch Japan

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