Disrupt 2020のアジェンダはこれだ

これまで10年間、テックコミュニティが一堂に会してつながり、学ぶ場所であり続けてきた「Disrupt」。今年は、例年の開催会場であるMoscone Center(モスコーン・センター)に数千人のテック業界人を実際に集めることはできなくなったが、これでDisruptが中止になったりはしない。

10周年という記念すべき節目を迎えるDisruptは今年、バーチャル開催されることが決まった。Disrupt 2020は、かつてないほど多くの人に参加してもらえるイベントになる。バーチャル開催になっても、Disruptの基本理念は変わらない。Disruptの参加者は、Disrupt Stage(Disruptステージ)とExtra Crunch Stage(Extra Crunchステージ)に加え、バーチャルネットワーキング、インタラクティブQ&A、デジタル版Startup Alley(スタートアップ・アレイ)に自由にアクセスできる。欧州とアジアのそれぞれのタイムゾーンに合わせたセッションも配信される予定だ。詳しくは追って発表する。

今年のDisruptにはいくつか新しい特徴がある。まず、従来は3日間だった開催期間が5日間となった。その代わり、1日あたりの開催時間は短縮されて、米国太平洋時間(PT)の午前9時から午後1時30分頃までとなる。ネットワーキングの時間はアジェンダに直接組み込まれており、これまでと同様、CrunchMatch(投資家と企業家のマッチングを行い、全参加者が互いにつながる場を提供するシステム)は開催期間中ずっと、一日を通して利用できる。また、今年から新たに、Disrupt 2020参加者のプレゼンテーションをベンチャーキャピタリストが評価して改善点を指摘してくれるセッション「Pitch Deck Teardown(セールスプレゼンテーション添削)」が開かれることになった。詳細はこちらから確認できる。

そして、今年も素晴らしい登壇者たちを招待している。詳しい登壇予定については、随時発表していく。

さて、いよいよDisrupt 2020のアジェンダを公開しよう。今後も登壇者が追加されていく予定だが、取りあえず現段階でのアジェンダは以下のとおりだ。

さっそく見ていこう。

9月14日(月)

「Love In The Time of COVID-19(コロナ時代に愛を)」 Whitney Wolfe-Herd(ホイットニー・ウォルフ・ハード)氏(Bumble)

ホイットニー・ウォルフ・ハード氏は、Tinder (ティンダー)を共同創業し、マーケティング担当副社長を兼務した後、独立してバンブルを設立し、新たな道を歩み始めた。Bumble(バンブル)は現在、ユーザー数が1億人を超える、デートアプリ業界のトップブランドとなっている。昨年、親会社Badoo(バドゥー)のスキャンダルが発覚して以来、Badoo、Bumble、Lumen、Chappyなどのデートアプリを所有するMagic Lab(マジックラボ)全体を統括してきたのがウォルフ・ハード氏だ。このセッションでは、オンラインデートの今後の展望と、デートアプリ業界のトップの座に君臨してからも地に足の着いた経営をどのように続けてきたのか、その秘訣をウォルフ・ハード氏から学ぶことができる。Disrupt Stage(Disruptステージ)

「How to Raise Money in a Dumpster Fire(大混乱の中で資金を調達する方法)」 Anu Hariharan(アヌ・ハリハラン)氏(Y Combinator)、Garry Tan(ガリー・タン)氏(Initialized Capital)、Hans Tung(ハンス・タング)氏(GGV Capital)

2008年に最初の会社Posterous(ポステラス)を設立し、その後共同創業者としてInitialized Capital(イニシャライズド・キャピタル)に参加したガリー・タン氏は、経済危機とそれが資金調達に与える影響を熟知している。GGVのミダスリスト(最も影響力のあるベンチャー投資家ランキング)にランクインするトップディールメーカーであるタング氏は、世界規模の投資会社であるGGVで米国、中国、南米での投資に従事してきたが、その間にこの三大陸すべてで不況を経験した。ハリハラン氏は、この10年間、BCG(ボストン・コンサルティング・グループ)、A16Z(アンドリーセン・ホロウィッツ)、そして現在はY Combinator(ワイ・コンビネーター)で、スタートアップに出資してきた。このコロナ禍の最中で資金を調達する方法について、有益な話が聞けるのは間違いない。Extra Crunch Stage(Extra Crunchステージ)

「The Business of Quantum(量子ビジネス)」 Alan Baratz(アラン・バラッツ)氏(D-Wave Systems)、Peter Chapman(ピーター・チャップマン)氏(IonQ)、Itamar Sivan(イタマル・シヴァン)氏(Quantum Machines)

量子コンピューティングは今、大きな注目を集めている。制限はあるものの実際に動作するハードウェアを提供するベンダーがすでにいくつかある。また、これまでにないアプローチでハードウェア開発に取り組み、量子コンピュータを動かしプログラムするための新たなソフトウェアを生み出そうとするスタートアップが増え続けている。このセッションでは、量子コンピューティングの今後の展望と課題、実用化に向けてスタートアップが果たす役割について、パネル登壇者たちがディスカッションする。Disrupt Stage(Disruptステージ)

「Planning for Your Startup’s Exit: The How’s and the When’s(スタートアップのイグジット計画:その方法と時期)」 Tracy Young(トレーシー・ヤング)氏(PlanGrid)、Michelle Zatlyn(ミッチェル・ザトリン)氏(Cloudflare)

昨年、IPOを達成したCloudflare(クラウドフェア)。しかし、もちろんそれは同社が歩んできた10年に及ぶ旅路の終わりではなかった。同じく、PlanGrid(プラングリッド)が2018年にAutodesk(オートデスク)に買収されたときも、それが最終地点とはならなかった。クラウドフェアのミッチェル・ザトリン氏とプラングリッドのトレーシー・ヤング氏が、それぞれの会社の軌跡、また両氏自身の創業者としての成長の軌跡について語る。Extra Crunch Stage(Extra Crunchステージ)

「Pitch Deck Teardown(セールスプレゼンテーション添削)」 Charles Hudson(チャールズ・ハドソン)氏(Precursor Ventures)、Aileen Lee(アイリーン・リー)氏(Cowboy Ventures)

世界のトップ投資家が、提出されたプレゼンテーションをステージ上でチェックしながら、優れたプレゼンテーション資料を作成するためのポイントをライブ解説していく。Extra Crunch Stage(Extra Crunchステージ)

Startup Battlefieldコンペ – セッション1

TechCrunchの目玉であるスタートアップコンペ「Startup Battlefield(スタートアップ・バトルフィールド)」を今年はバーチャルで実施する。世界中の起業家が、Battlefield優勝カップ獲得の栄誉と10万ドル(約1060万円)の賞金獲得を目指し、各分野のエキスパートである審査員の前でプレゼンテーションを行う。Disrupt Stage(Disruptステージ)

「Zooming Into the Future(未来へZoomイン)」 Eric Yuan(エリック・ユアン)氏(Zoom)

Zoomは、オフィスの会議室だけでなく、家族の食卓から地元のバーまで、あらゆる場所においてコミュニケーションの形を変えた。新型コロナウイルス感染症に後押しされた歴史的成長にZoom(ズーム)はどのように対応してきたのだろうか。また、今や大人気の企業および消費者向けブランドとなった同社が考える次の戦略は何か。これらの点について、創業者兼CEOのEric Yuan(エリック・ユアン)氏が語る。Disrupt Stage(Disruptステージ)

「How Things Get Built in the Middle of a Pandemic(パンデミックの最中にモノを作る方法)」 Kate Whitcomb(ケイト・ウィットコム)氏(Chrysalis Cloud)、Steven Yang(スティーブン・ヤング)氏(Anker)、ほか(スピーカー未定)

新型コロナウイルス感染症により、モノを作る方法と場所はどう変わったのだろうか。Anker(アンカー)のCEOであるSteven Yang(スティーブン・ヤング)氏と、Chrysalis CloudのCEOでHAXの元パートナーであるKate Whitcomb(ケイト・ウィットコム)氏に、製造業界が2020年のパンデミックに対応してきた方法と今後の展望について話を聞く。Extra Crunch Stage(Extra Crunchステージ)

「How to Scale a Tech-Powered Non-Profit(ITを基盤とする非営利団体をスケールする方法)」、Tiffani Ashley Bell(ティファニー・アッシュレイ・ベル)氏(The Human Utility)

このステージでは、The Human Utility(ザ・ヒューマン・ユティリティ)の創業者ティファニー・アッシュレイ・ベル氏に、水道料金の支払いに窮する人たちを支援するプラットフォームの構築に何が必要だったか、また、ITを基盤とする非営利団体をスケールして社会に貢献する方法について聞く。Extra Crunch Stage(Extra Crunchステージ)

9月15日(火)

「Getting to $100M ARR(月間1億ドルのARRを達成する方法)」 Vineet Jain(ヴィニート・ジェイン)氏(Egnyte)、Sid Sijbrandij(シド・シバランジ)氏(GitLab)、Michal Tsur(ミシェル・ツァー)氏(Kaltura)

毎月1億ドルのARR(年間経常収益)を達成する方法について、TechCrunchが非公開企業3社それぞれの代表にインタビューを行う。スケールする過程で何を破壊し、何を再構築したのか、アーリーステージのスタートアップから脱してIPO目前の企業に成長する過程で得た教訓について、各氏から聞くことができる。Extra Crunch Stage(Extra Crunchステージ)

「Looking into the Future(今後の展望)」 Roelof Botha(ロエロフ・ボサ)氏(Sequoia Capital)

ボサ氏はSequoia Capital(セコイア・キャピタル)の米国トップだ。大きな権限と同時に、ポートフォリオ企業がパンデミックとその影響を乗り切ることができるよう支援するなど、大きな責任を伴う役職でもある。このセッションでは、ボサ氏が創業者にアドバイスする方法と、この試練の時代にあってもスタートアップ創業者が世界を変えると同氏が期待している理由を聞くことができる。Disrupt Stage(Disruptステージ)

「How to Craft your Pitch Deck for 2020(2020年版セールスプレゼンテーション作成法)」 Rajan Anandan(ラジャン・アナンダン)氏(Sequoia Capital India)、Ann Miura-Ko(アン・ミウラコ)氏(Floodgate)、Lo Toney(ロー・トニー)氏(Plexo Capital)

起業家は今、世界各地にいるあらゆるタイプの投資家に対して効果的なセールスプレゼンテーションを行うために、メール、音声、動画、VR、IRLなど、さまざまな形態を駆使している。会社の創業に必要な時間からあまり多くを割くことなく、しかるべき人にしかるべき方法でリーチするためにはどうすればよいだろうか。従来のパワーポイントによるプレゼンテーションも使えるが、資金調達のためには、より多くの機会を活用する必要がある。世界中の創業者が使っている最新のプレゼン戦術について学ぼう。Extra Crunch Stage(Extra Crunchステージ)

Startup Battlefieldコンペ – セッション2

TechCrunchの目玉であるスタートアップコンペ「Startup Battlefield(スタートアップ・バトルフィールド)」を今年はバーチャルで実施する。世界中の起業家が、Battlefield優勝カップ獲得の栄誉と10万ドル(約1060万円)の賞金獲得を目指し、各分野のエキスパートである審査員の前でプレゼンテーションを行う。Disrupt Stage(Disruptステージ)

「Pitch Deck Teardown(セールスプレゼンテーション添削)」 Niko Bonatsos(ニコ・ボナツォス)氏(General Catalyst)、Megan Quinn(メーガン・クィン)氏(Niantic)

世界のトップ投資家が、提出されたプレゼンテーションをステージ上でチェックしながら、優れたプレゼンテーション資料を作成するためのポイントをライブ解説していく。Extra Crunch Stage(Extra Crunchステージ)

「How to Raise Your First Dollars(初めての資金調達を成功させるには)」 Alexa von Tobel(アレクサ・フォン・トベル)氏(Inspired Capital Partners)、Hunter Walk(ハンター・ウォーク)氏(Homebrew)、Ted Wang(テッド・ワン)氏(Cowboy Ventures)

最初の資金調達の方法を決定するのは常に難しい問題だ。選択を誤ると、スタートアップ企業にマイナスの影響を与える可能性があるからだ。このセッションでは、複数の企業を資金調達の初期段階から最終段階まで導いた経験を持つ専門家に話を聞く。Extra Crunch Stage(Extra Crunchステージ)

「The Next Generation of Media(次世代メディア)」 Morgan DeBaun(モーガン・デボーン)氏(Blavity)、Angie Nwandu(アンジー・ワンドゥー)氏(The Shade Room)

Blavity(ブラビティ)とThe Shade Room(ザ・シェイド・ルーム)の両社は、黒人のオーディエンスが自分の体験や興味を取り上げてくれるデジタルパブリッシャーを求めていることを実証した。このセッションでは、どのような方法で黒人オーディエンスを獲得したのか、スケーラブルなビジネスをどのように構築しているのか、また、他のパブリッシャーはどうすれば今より多様なオーディエンスにリーチできるのか、といった点について両社の創業者に話を聞く。Disrupt Stage(Disruptステージ)

「How to Find the Right Users as the World Burns(パンデミックの中で適切な顧客を見つける方法)」 Brian Balfour(ブライアン・バルフォー)氏(Reforge)、Elliott Robinson(エリオット・ロビンソン)氏(Bessemer Venture Partners)、Susan Su(スーザン・スー)氏(Sound Ventures)

2020年の今、ユーザーが複数のプラットフォームに分散する動向は勢いを増し、地域別の細分化も進んでいる。また、ユーザーはマーケティングの標的にされることにうんざりしており、パンデミック前に比べて懐も寒い。限られた時間と予算の範囲内でビジネスを構築するために適切な顧客とオーディエンスを見つけるにはどうすればよいだろうか。急成長マーケティングのトレンドと、主な顧客獲得チャネル(SEO、SNS、メールなど)における最新戦術について、専門家に話を聞く。Extra Crunch Stage(Extra Crunchステージ)

「In the Big Leagues(高校リーグと体育プログラム)」 Delane Parnell(デレイン・パーネル)氏(PlayVS)

PlayVSは、大手ゲームプラットフォームおよび学校制度と連携し、わずか数年で高校のeスポーツリーグを米国全土に展開した。創業者デレイン・パーネル氏の指揮のもと、9600万ドル(約102億)を調達したPlayVSは、さらなる成長を目指している。従来の高校の体育プログラムが新型コロナウイルス感染症によって大きな影響を受ける中、eスポーツは今後も拡大を続けていくのだろうか。Disrupt Stage(Disruptステージ)

9月16日(水)

「Making Bank(銀行を作る)」 Mitchell Elegbe(ミッチェル・エレグベ)氏(Interswitch)

2002年、ミッチェル・エレグベ氏はデジタルファイナンス系スタートアップInterswitch(インタースイッチ)を設立し、同社のシステムをナイジェリアの銀行システムとつなげた。その後10年ほどで、同社の時価総額は10億ドル(約1060億円)に達し、アフリカ全土で数十億人のデジタル決済を支えている。インタースイッチは間もなく、アフリカで最初のフィンテック企業として主要な証券取引所へ上場する予定だ。同社のエレグベ氏が、デジタルファイナンスの未来とアフリカ企業のIPO達成について語る。Disrupt Stage(Disruptステージ)

「The Changing Landscape of Property Tech(変わりゆく不動産テック業界図)」 Connie Chan(コニー・チャン)氏(Andreessen Horowitz)、Merritt Hummer(メリット・ハマー)氏(Bain Capital Ventures)、Brendan Wallace(ブレンダン・ワレス)氏(Fifth Wall)

Andreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)ジェネラルパートナーのコニー・チャン氏、Bain Capital Ventures(ベイン・キャピタル・ベンチャーズ)パートナーのメリット・ハマー氏、Fifth Wall(フィフス・ウォール)共同創業者兼マネージングパートナーのブレンダン・ワレス氏―変わりゆく不動産テック業界の中心にいるのはこの3人だ。各氏が、不動産テック業界の課題とビジネスチャンス、同業界のスタートアップへの提言について語る。Extra Crunch Stage(Extra Crunchステージ)

「Little Wires Everywhere(小さなつながりを至る所で)」 Kerry Washington(ケリー・ワシントン)氏

ハリウッド女優として有名なケリー・ワシントン氏だが、ここ数年で、テック業界でも広く知られるようになった。The Wing(ザ・ウィング)、Community(コミュニティ)、歯列矯正サービスByte(バイト)に投資するワシントン氏のポートフォリオは、人々に発言権を与え、クオリティ・オブ・ライフを向上させることを目的とする製品やサービスで構成されている。くつろいだ雰囲気で行われるこのセッションでは、ワシントン氏がテック業界に進出に至った経緯や、同氏の投資戦略、ストリーミングプラットフォームの台頭などについて聞くことができる。また、活動家であり、ハリウッドでのダイバーシティの欠如についても声を上げた同氏が、テック業界におけるダイバーシティ、インクルージョン、平等性についても話してくれる。Disrupt Stage(Disruptステージ)

「Building a Startup During the “Work From Home” Revolution(リモートワーク革命期のスタートアップ構築)」 Sarah Cannon(サラ・キャノン)氏(Index Ventures)、Sarah Guo(サラ・グオ)氏(Greylock)、Dave Munichiello(デイブ・ムニチエロ)氏(GV)

リモートワークに関して世界トップの3人の投資家が一堂に会して、この重要なトレンドを詳しく解説する。サラ・キャノン氏はIndex Ventures(インデックス・ベンチャーズ)のパートナーで、Notion(ノーション)などのチーム生産性ツールを支援しており、メッセージングアプリQuill(クイル)やPitch(ピッチ)にも注目している。サラ・グオ氏はGreylock(グレイロック)のジェネラルパートナーで、Clubhouse(クラブハウス)、福利厚生プラットフォームCleo(クレオ)、および数社のサイバーセキュリティ関連企業に投資している。最後は、デイブ・ムニチエロ氏だ。同氏はGVのジェネラルパートナーで、Slack(スラック)、GitLab(ギットラブ)、Plaid(プレイド)、その他多数の有名なスタートアップ企業を支援している。Extra Crunch Stage(Extra Crunchステージ)

「CRISPR in the Post-COVID Era(ポストコロナ時代のCRISPR)」 Jennifer Doudna(ジェニファー・ダウドナ)氏(UC Berkeley)

世界的な新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、バイオテック業界全般、とりわけCRISPRにどのような変化をもたらしたのだろうか。新型コロナウイルスが及ぼす短期的および長期的な影響と、遺伝科学の変化について、革新的なCRISPR-Cas9遺伝子編集技術の共同発見者であるジェニファー・ダウドナ博士に話を聞く。Disrupt Stage(Disruptステージ)

Startup Battlefieldコンペ – セッション3

TechCrunchの目玉であるスタートアップコンペ「Startup Battlefield(スタートアップ・バトルフィールド)」を今年はバーチャルで実施する。世界中の起業家が、Battlefield優勝カップ獲得の栄誉と10万ドル(約1060万円)の賞金獲得を目指し、各分野のエキスパートである審査員の前でプレゼンテーションを行う。Disrupt Stage(Disruptステージ)

「Pitch Deck Teardown(セールスプレゼンテーション添削)」 Cyan Banister(シアン・バニスター)氏(Long Journey Ventures)

世界のトップ投資家が、提出されたプレゼンテーションをステージ上でチェックしながら、優れたプレゼンテーション資料を作成するためのポイントをライブ解説していく。Extra Crunch Stage(Extra Crunchステージ)

「How Voice Computing Conquered the World(音声コンピューティングはいかにして世界を席巻したか)」 Rohit Prasad(ロイト・プラサド)氏およびToni Reid(トニー・ライド)氏(Amazon)

音声アシスタントが興味のレベルからユビキタス・コンピューティング・プラットフォームへと進化した経緯を、Amazon(アマゾン)のAlexa(アレクサ)開発者でリーダーでもあるロイト・プラサド氏とトニー・ライド氏が解説する。また、スマートスピーカーの次に待つ生活と音声コンピューティングの今後について、両氏がディスカッションを行う。Disrupt Stage(Disruptステージ)

「How to Build a Service Marketplace(サービスマーケットプレイスの構築方法)」 Andy Fang(アンディ・ファング)氏(DoorDash)、ほか(スピーカー未定)

サービスマーケットプレイスを構築するには、企業がエコシステムのあらゆる側面に関与するか、少なくとも、エコシステム全体を理解している必要がある。顧客、ビジネスパートナー、配送業者(該当する場合)それぞれに価値を提供できるマーケットプレイスを構築する方法を探るこのパネルでは、サービスマーケットプレイス運営の成功例であるDoorDash(ドアダッシュ)の創業者兼CTOのアンディ・ファング氏に話を聞く。Extra Crunch Stage(Extra Crunchステージ)

「Push to Marry Big Data to Big Pharma(ビッグデータと大手薬品会社の結合の推進)」 Daphne Koller(ダフネ・コラー)氏(Insitro)

薬の発見と試験は複雑で、問題が多発するプロセスであり、最新のコンピューティング手法による再発明が期待されている分野である。ただし、それには正しいデータと正しいツールに加えて、しかるべき人材(と豊富な資金)が不可欠だ。Coursera(コースラ)とCalico(カリコ)で経験を積んだダフネ・コラー氏は、自身が設立した新会社Insitro(インスティロ)には必要な要素がすべてそろっていると考えている。Disrupt Stage(Disruptステージ)

「The Black Founder Experience: Tactical Advice for Underrepresented Entrepreneurs(黒人創業者に向けて:レプリゼンテーションが不足している起業家のための戦術的アドバイス)」、Michael Seibel(マイケル・サイベル)氏(Y Combinator)、ほか(スピーカー未定)

レプリゼンテーションの低い創業者のスタートアップ起業プロセスは、そうではない創業者とどう異なるのだろうか。現時点で最大の課題は何か。どうすればそれを克服できるのか。このセッションでは、Y Combinator(ワイ・コンビネーター、YC)CEOのマイケル・サイベル氏ほか2人のYC創業者(近日発表)が、自らの起業体験と黒人企業家の資金調達について語る。Extra Crunch Stage(Extra Crunchステージ)

「What’s Next for Atlassian(Atlassianの今後の展望)」 Mike Cannon-Brookes(マイク・キャノン・ブルックス)氏(Atlassian)

Atlassian(アトラシアン)のツールは世界中のソフトウェアチームに広く導入されているが、現在、同社のコラボレーションツールが多くの企業でより大きな役割を果たすようになっている。このセッションでは、同社の共同創業者マイク・キャノン・ブルックス氏が、IPO達成後の同社の状況とソフトウェア開発の次のトレンドを先取りする計画について語る。Disrupt Stage(Disruptステージ)

9月17日(火)

「Greenlighting a New Generation of Storytellers(新世代のストーリーテラーへのゴーサイン)」 Ron Howard(ロン・ハワード)氏、Brian Grazer(ブライアン・グレーザー)氏、Tyler Mitchell(タイラー・ミッチェル)氏(いずれもImagine Impact)

世界で最も成功した俳優、ディレクター、およびプロデューサーであるロン・ハワード氏と、伝説的なプロデューサーであるブライアン・グレーザー氏は、35年間にわたり、知らない人がいないくらい有名な映画とテレビ番組(『アポロ13号』、『ブル~ス一家は大暴走!』、『ダヴィンチコード』など)を制作し続けてきた。しかし、テック業界と同じく、エンターテインメントもディスラプション(破壊的創造)が非常に重要な業界だ。そこで、未来のエンターテインメントの制作・配信方法を取り入れるため、両氏は企業家のタイラー・ミッチェル氏と組んでImagine Impact(イマジン・インパクト)を立ち上げた。イマジン・インパクトは、有望なライターがメンターと協力してストーリーを作成し、市場に出すのを支援する、シリコンバレースタイルのアクセラレータだ。同社は6月にNetflix(ネットフリックス)と契約し、パイプラインを拡大した。このステージでは、同社のその他の計画、3氏が考える映画の将来について語ってもらう。Disrupt Stage(Disruptステージ)

「The Future of SaaS(SaaSの未来)」 Maha Ibrahim(マハ・イブラヒム)氏(Canaan Partners)、David Ulevitch(デビッド・ウレビッチ)氏(Andreessen Horowitz)、Mike Volpi(マイク・ヴォルピ)氏(Index Ventures)

2020年、SaaS企業の時価総額は急落したが、その後、それ以上のスピードで持ち直した。このステージでは、SaaSについて深い見識を持つ数人のベンチャーキャピタリストに、急成長、停滞、およびブレークアウトの各段階にあるスタートアップについて話を聞く。また、ベンチャーキャピタルがSaaS企業に期待する内容で変化した点や、出資対象として目を引くスタートアップは他と何が違うのかについて考える。Extra Crunch Stage(Extra Crunchステージ)

「How Embedded Finance Represents the Future of Fintech(組み込みファイナンスこそフィンテックの将来の姿)」 Hope Cochran(ホープ・コクラン)氏(Madrona Venture Group)、Ruth Foxe Blader(ルース・フォックス・ブレイダー)氏(Anthemis Group)、 Zach Perret(ザック・パレット)氏(Plaid)

フィンテック業界はここ数年、激しい変化の波にもまれてきた。消費者向けフィンテックスタートアップ各社が大成功を収め、数百万人の顧客を獲得している。それと同時に、法人向け企業は、決済からAPI駆動型統合およびリスク査定まで、金融を真にデジタル化するインフラストラクチャーを構築してきた。このパネルでは、「テック企業はすべて、ある時点で、組み込みファイナンスによってフィンテック企業になるのだろうか」「組み込みファイナンス製品を提供する新たな巨大テック企業が台頭するのだろうか」といった問いをはじめとする、フィンテック業界の今後についてディスカッションが行われる。Extra Crunch Stage(Extra Crunchステージ)

「Putting Robots to Work(ロボットのいる生活)」 Robert Playter(ロバート・プレイター)氏(Boston Dynamics)

ロバート・プレイター氏は、Boston Dynamics(ボストン・ダイナミクス)のCEOに就任後初となるこのスピーチで、同社がロボット研究の寵児から商業生産へと移行した経緯を語る。ボストン・ダイナミクスに25年以上在籍するプレイター氏は、同社の成長について独自の見識を持っており、ロボットが日常生活で活躍し、ますます重要な役割を担うようになる未来を目指している。Disrupt Stage(Disruptステージ)

「Pitch Deck Teardown(セールスプレゼンテーション添削)」 Roelof Botha(ロエロフ・ボサ)氏、Susan Lyne(スーザン・レイン)氏(BBG Ventures)

世界のトップ投資家が、提出されたプレゼンテーションをステージ上でチェックしながら、優れたプレゼンテーション資料を作成するためのポイントをライブ解説していく。Extra Crunch Stage(Extra Crunchステージ)

Startup Battlefieldコンペ – セッション4

TechCrunchの目玉であるスタートアップコンペ「Startup Battlefield(スタートアップ・バトルフィールド)」を今年はバーチャルで実施する。世界中の起業家が、Battlefield優勝カップ獲得の栄誉と10万ドル(約1060万円)の賞金獲得を目指し、各分野のエキスパートである審査員の前でプレゼンテーションを行う。Disrupt Stage(Disruptステージ)

「How to Iterate Your Product(人気製品を生み出し続ける方法)」 Oded Gal(オーデッド・ガル)氏(Zoom)、Eugene Wei,(ユージン・ウェイ)氏およびTamar Yehoshua(タマー・イェホシュア)氏(Slack)、Julie Zhuo(ジュリエ・ツオ)氏(Inspirit)

Facebook(フェイスブック)、Zoom(ズーム)、Slack(スラック)、Oculus(オキュラス)という、そうそうたる企業の製品開発部門の新旧トップから製品開発についての深い見識を聞くことに興味がないなら、今すぐテック業界から去るべきだ。そう、今すぐに。いても無意味だから。保険会社にでも転職したほうがいい。株式仲買人の免許でも取るとか。とにかく、このままテック業界に関わる意味はない。Extra Crunch Stage(Extra Crunchステージ)

「Scaling Good Very Well(社会貢献もビジネスもスケールする)」 Phaedra Ellis-Lamkins(ファイドラ・エリスラムキンス)氏(Promise)、Jessica O. Matthews(ジェシカ・オー・マシュー)氏(Uncharted Power)

シリコンバレーで働いていると、「世界を変えたい」という創業者の言葉を必ず耳にする。その言葉を実現してきたのが、Promise(プロミス)の創業者ファイドラ・エリスラムキンス氏と、Uncharted Power(アンチャーテッド・パワー)の創業者ジェシカ・オー・マシュー氏だ。社会に貢献する事業を持続的な方法でスケールしていく方法について、両氏が語る。Disrupt Stage(Disruptステージ)

「How to Build an Alternative Company(既存の枠にとらわれない企業を構築する方法)」 Seth Besmertnik(セス・ベスメトニック)氏(Conductor)、Aniyia Williams(アニヤ・ウィリアムズ)氏(Zebras Unite)、Hays Witt(ハイズ・ウィット)氏(Driver’s Seat Cooperative)

従来型のベンチャーキャピタルを経営したり、利益最優先の戦略を取ったりはせずに、いわゆる王道からは少し外れた方法で成功しているスタートアップ創業者がいる。Conductor(コンダクター)CEOのセス・ベスメトニック氏、Driver’s Seat(ドライバーズシート)CEOのハイズ・ウィット氏、Black & Brown Founders(ブラック・アンド・ブラウン・ファウンダース)とZebras Unite(ゼブラズ・ユナイテッド)のアニヤ・ウィリアムズ氏の3人はそうした人たちだ。この3人は、協同組合を立ち上げたり、大手テック企業からスタートアップを買い戻して、従業員が株式のほとんどを所有する会社に変貌させたり、社会問題に取り組むスタートアップに投資する組合基金に生まれ変わらせたりして、従来とは違う方法で起業家としての道を歩んできた。このディスカッションでは、投資者であるVCの利益ではなく、事業の収益と顧客の利益を第一に追求する会社を経営する方法を学べる。Extra Crunch Stage(Extra Crunchステージ)

9月18日(金)

「The State of Venture(ベンチャーキャピタルの現状)」 Dayna Grayson(ダイナ・グレイソン)氏(Construct Capital)、Renata Quintini(レナータ・クィンティーニ)氏(Renegade Partners)、Lo Toney(ロー・トニー)氏(Plexo Capital)

この3人のベンチャー 投資家は以前、NEA(ニュー・エンタープライズ・アソシエイツ)、Lux Capital(ラックス・キャピタル)など、米国で最強の投資会社で働いていた。だが、それぞれ大胆にも独立する道を選択し、それが、世界の投資業界の成長とダイバーシティの推進につながった。独立した経緯について各氏から話を聞こう。また、自社のビジネスを構築しながら投資を続けていく方法についても学べるセッションになっている。Disrupt Stage(Disruptステージ)

「Making Cents of EdTech in the Coronavirus Era(コロナ時代にエドテックで稼ぐ)」 Mercedes Bent(メルセデス・ベント)氏(Lightspeed Venture Partners)、Jennifer Carolan(ジェニファー・キャロラン)氏(Reach Capital)、Ian Chiu(イワン・チウ)氏(Owl Ventures)

新型コロナウイルス感染症によるパンデミックの中、一躍注目を集めているのがエドテックだ。だが、エドテックの採用が急に進み、使用率が急増したことは、果たして業界にとって追い風なのか、それとも向かい風なのか。このセッションでは、最大手のエドテック企業に賭けているという投資家に、パンデミックによって業界図がどのように変わったのか、また今後のエドテック業界に期待する動向について聞く。Extra Crunch Stage(Extra Crunchステージ)

「Keeping Big Tech in Check(大手テック企業を食い止める)」 Zoe Lofgren(ゾーイ・ロフグレン)氏、女性下院議員

最古参の下院議員であるゾーイ・ロフグレン氏ほどシリコンバレーを熟知している人はない。ロフグレン氏は、擁護者と批評家の両方の役目を果たし、有権者のためだけでなく、世界中のインターネットユーザーのために、大手テック企業をけん制しようと率先して尽力してきた。このステージでは、シリコンバレーに影響を与えるポリシーやプライバシーをはじめ、激論の的となっているその他の問題について話し合う。Disrupt Stage(Disruptステージ)

「How to Reinvent Your Sales Team in 2020(2020年にセールスチームを再発明する方法)」 Brian Ascher(ブライアン・アッシャー)氏(Venrock)、Pete Kazanjy(ピート・カザンジー)氏、(Atrium)、Jill Rowley(ジル・ローリー)氏(Stage 2 Capital)

このセッションでは、シリコンバレーで最も賢明なリーダーたちが、戦術など、セールスチームの構築について熱く語り合う。ブライアン・アッシャー氏はVenrock(ヴェンロック) のパートナーとして20年以上にわたり、6Sense(シックスセンス)、Socrates AI(ソクラテスAI)、Dynamic Signal(ダイナミック・シグナル)などのB2Bセールスドリブン(販売主導)型企業に投資してきた。ピート・カザンジー氏は、著書『Founding Sales』で知られるとおり、セールスおよびコミュニティ構築関連のスタートアップの第一人者であると同時に、セールスパフォーマンスプラットフォームAtrium HQの創業者でもある。ジル・ローリー氏は、数十年にわたってセールス系スタートアップに提言し続けており、創業初期の頃のSalesforce(セールスフォース)とEloqua(エロクア)に勤務した経験もある。Extra Crunch Stage(Extra Crunchステージ)

Startup Battlefieldコンペ – 最終セッション

TechCrunchの目玉であるスタートアップコンペ「Startup Battlefield(スタートアップ・バトルフィールド)」を今年はバーチャルで実施する。世界中の起業家が、Battlefield優勝カップ獲得の栄誉と10万ドル(約1060万円)の賞金獲得を目指し、各分野のエキスパートである審査員の前でプレゼンテーションを行う。Disrupt Stage(Disruptステージ)

「Building a Low-Code Unicorn(ローコードユニコーン企業を築く)」 Howie Liu(ハウイー・リウ)氏(Airtable)

ここ数年、ローコード/ノーコードという言葉が流行っているが、このアイデアをAirtable(エアテーブル) のようにスプレッドシートに似たインターフェースを用いて具現化した企業はほとんどない。時価総額10億ドル(約1060億円)の同社は、今やローコード/ノーコードトレンドの最前線にいる。このセッションでは、エアテーブルの共同創業者兼CEOのハウイー・リウ氏に、ユーザーフレンドリーなローコードサービスの構築、コロナ時代の法人セールス、ノーコード/ローコード分野の今後について話を聞く。

今後追加される登壇者の情報など、イベント詳細は以下の特設ページから確認できる。この特設ページを経由してチケットを購入すると、5%割引の価格で購入できるので活用してほしい。

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[原文へ]

(翻訳:Dragonfly)

投稿者:

TechCrunch Japan

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