Disrupt SF 2014「Battlefield」優勝はオールラウンドなお手伝いサービス「Alfred」

サンフランシスコで9月8日から10日にかけて開催された「TechCrunch Disrupt SF 2014」。その目玉であるピッチイベント「Battlefield」は、世界各国の約800社が応募し、わずか26社(+来場者投票による2社)だけが本戦に出場するという狭き門だ。10日には、本戦を勝ち抜いた6社がピッチを披露。勝者に与えられるDisrupt Cupと賞金5万ドル(約500万円)を手にしたのは、ボストンに拠点を置くAlfredだった。

食料品の購入、洗濯やクリーニング、掃除などの雑用を頼むオンデマンド型サービスはいくつも存在するが、Alfredはこれらのプラットフォームとなるアプリを手がけている。例えば、食料品配達の「Instacart」や家事代行の「Handybook」、お使い依頼の「TaskRabbit」といったオンデマンド型サービスに加えて、ドライクリーニング屋やスーパーマーケットなど地元店舗での買い物を、Alfredに登録するユーザーに一括してお任せできる。月額99ドルに加えて、サービスごとの利用料金がかかる。

アプリの仕組みはこうだ。まずログインすると、事前の審査に通過した「Alfred」と呼ばれるユーザーがあてがわれる。アプリではこの人物の顔写真、氏名、住所、マイカーの有無、アンケートの回答などを見て、信頼性をチェックする。依頼するAlfredを決めたら、事前に鍵を渡して指定した曜日に自宅に来てもらい、食料品のリストや洗濯物を渡したり、Alfredが受け取った生活必需品を届けてもらえる仕組み。こうしたルーティングワークは一度登録すれば、やってほしいことが変わらない限りは、Alfredが毎週自動的にタスクをこなしてくれる。Battlefieldでのデモの模様は以下の動画をご覧いただきたい。

決勝のジャッジを務めたのは、Yahooのマリッサ・マイヤー、Secoia Capitalのロエロフ・ボサ、Google Venturesのケビン・ローズら、「超」が付くほどの著名人。優勝チームを決めるにあたっては、Alfredともう1社で票が割れたのだという。次点となったのは、海外からの貨物輸送を効率化する「shipstr」だ。

shipstrは、貨物船や倉庫、運送会社といったプレイヤーの情報を集約し、複雑かつ高価な海外発送のプロセスをシンプルかつ安価にする。Shipstr創業者のMax Lockによれば、多くの中小企業は、仲介ブローカーを通じて貨物輸送を利用しているが、ブローカーの発注先は不透明で信頼できないという。そこで仲介ブローカーを中抜きし、最も安くて信頼できるプレイヤーを選べるようにする。まずはコンテナで中国の寧波市からロサンゼルスに商品を輸入するアメリカの中小企業を対象にし、今後は世界の主要50港をカバーするそうだ。このほかの決勝進出したチームは、こちらの記事で紹介している。

4000人以上が参加したTechCrunch Disrupt SF 2014は大盛況で幕を閉じたが、TechCrunch Japanでは11月18日、19日に東京・渋谷で、毎年恒例のイベント「TechCrunch Tokyo 2014」を開催する。そこでは、日本版「Battlefield」と言える「スタートアップバトル」も行うことが決まっていて、参加企業を絶賛募集中だ。応募締め切りは10月3日までなので、我こそはというスタートアップはぜひ、こちらのページから応募してほしい。


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。