DJIは、このような大変な時機に、大きな発表を控えるという手もあったかもしれない。しかし同社は、世界的なパンデミックのために発表を遅らせるようなことはしなかった。軽量版のMavic Airを発売してから2年ちょっとが経った今、その後継機を発表した。
発表の直後に最初のAirをレビューした際には、私は製品自体の有用性に大きな不満を抱いた。確かに、それは優秀なエンジニアリングの見本のような製品だったが、魅力はそれだけに留まっていた。今回DJIは、少なくとも最初の製品が抱えていた問題のいくつかに対処した。中でも、バッテリー容量の増加は重要だ。
わずか21分というバッテリー寿命は、この最初の製品に対する私の不満の最大のものだった。同社によれば、新バージョンは、1回の充電で最長34分間飛ばすことが可能となったという。実際に製品を試用できるようになったら、それが現実にもたらす効果について、改めて報告するつもりだ。
私も当初、いくつか動作に関わるバグを見つけた。それらに関しては、幸いなことにソフトウェアのアップデートによって対処されている。特に、Active Trackのバージョンは3.0になった。この機能では、飛行中に物体をトラッキングする機能が向上しているという。たとえば、トラッキング中の物体が一時的に、木などの障害物に隠れてしまうことがあっても、追跡を続ける能力が向上した。POI(Point of Interest)やSpotlight機能もアップグレードされている。
そして、やはりイメージングは重要だ。もちろん、最大の性能向上は、写真とビデオに関するもの。新しいAirは、毎秒60フレームで4Kビデオを撮影できる。静止画については、最大49メガピクセルで撮影できる。3軸のジンバルによってドローンの揺れの影響を軽減する効果も期待できる。8倍のスローモーション撮影や、HDRで写真やビデオの撮影も可能となっている。さらに、低照度に対応する設定や、シーン認識機能も備えている。
本体の改善点としては、他にもワイヤレス通信の強化や、障害物回避機能の進化などがある。後者は、特に初心者にとって有効だが、どんなレベルのユーザーにも歓迎されるはずだ。
Mavic Air 2は4月27日に中国で発売された。新型コロナによる危機のため、米国を含み、世界的な配送事情はかなり複雑なものとなっている。現時点では予約注文を受け付けており、5月中旬には出荷される予定となっている。ただし、今のところDJIでも確信が持てないのは当然だろう。日本版の基本システムは10万5600円で、充電ハブ、3本のバッテリー、専用ショルダーバッグなどを含む「Fly More コンボ」は13万2000円となっている。
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(翻訳:Fumihiko Shibata)