【抄訳】
今日(米国時間12/4)はDockerが、アムステルダムで行われたDockerCon Europeで大量の発表を行った。それらは、デベロッパの仕事を楽にする一連のオーケストレーションツールと、“ターンキー”タイプのエンタプライズプロダクト(同社初の商用製品)、そしてIBMとの新たな合意事項だ。
まず、オーケストレーションツールは、Docker Machine、Docker Swarm、そしてDocker Composerの三つだ。いずれも、これまで手作業が必要だった工程を自動化して、ユーザ(とくにデベロッパ)の時間と労力を節約する。
Docker Machineは、サードパーティのインフラストラクチャベンダのユーザにコンテナを使いたいデベロッパが増えてきたときに、彼らにレディメイドのマシン環境を提供し、ベンダやデベロッパがとくに大仕事をしなくても簡単にコンテナを使えるようにする。Dockerのマーケティング担当VP David Messinaは、これはデベロッパが使用するDocker Engineを、インフラのベンダ側が迅速に用意するための方法だ、と説明した。
彼は曰く、“新たに使用するインフラストラクチャの上でDocker Engineを使えるようにするためのセットアップ時間が、デベロッパにとってかなりの負担だった。Docker MachineをVMwareやDigitalOceanなどのインフラプロバイダが利用すると、ラップトップからの単純なコマンドでデベロッパやオペレータのためにエンジンを可利用にできる”。つまりこのツールは、インフラをDocker対応にするために要する時間を短縮し、とくにデベロッパ側ではそれがほぼゼロになるのだ。
Docker Swarm(Docker群団)は、これを使うと、複数のコンテナを複数のインフラ上に配備していくとき、そのもっとも効率的なやり方をデベロッパが定義できる。このツールからデベロッパは一連のAPI集合にアクセスしてMesosphere〔日本語過去記事〕などのツールにリンクし、リソースのプールをもっとも効率的なやり方で管理できる。Messinaは、“クラスタリングに際し、複数のホストにまたがるリソースプールの使い方を定義して、リソースの要件に応じてコンテナをいつどこで動かすかを最適にスケジューリングする”、と説明する。
3つ目のオーケストレーションツールDocker Composerは、アプリケーションがコンテナの集合から成り立っているときに、そのコンテナ構成(コンフィギュレーション)ファイルをデベロッパが作るためのツールだ。いったん作った構成ファイルへのコンテナの加除も、容易にできる。Messinaは、このツールにより、一つのアプリケーションに所属するコンテナの集合を簡単に定義できる、と説明する。“コンテナの集合があり、それぞれの担当サービスが決まっているとき、デベロッパはこのツールを使ってそれらを編成し、離散的な分散アプリケーションを作れる”、と。
次にご紹介するDockerのエンタプライズプロダクトDocker Hub Enterpriseは、企業がファイアウォールの背後にインストールできるターンキーソリューションだ。それはDockerの初の商用製品で、とくに金融業などセキュリティに厳しい企業のニーズに対応し、それらの企業が自社内でDockerの利用を開始できるようにする。この製品に関しては、すでにAmazon Web ServicesとIBMとMicrosoftがパートナーだが、製品のリリースは2月を予定している。
最後に、IBMとの契約。Dockerの発表によると、IBMが各種Dockerプロダクトのリセラー(再販業者)になってくれる。Messinaは、IBMのような企業がパートナーになってくれたことは、Dockerのような若い企業にとって強力なお墨付きになるから大歓迎だ、と述べた。
このように今回のDockerの発表は、一連のデベロッパツール、エンタプライズプロダクト、既存大企業とのパートナーシップなど、盛りだくさんだった。同社にとっても、コンテナ技術の王者の地位にもはや安住できない厳しい競合環境が育ち始めているから、カンファレンスのステージでこれぐらい頑張るのも当然なのだ。
〔訳注: Dockerの発表内容の紹介以外の、雑談的な部分は訳を省略しました。〕
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))